春といえば出会いと始まりの季節。新たに建設業に携わる人や、次の現場に赴任する人、また心機一転臨まれる人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は「新年度特集」ということで、新年度も現場を無事故で続けるために役立つ情報をお届けします。建設業における労働災害の発生状況についてのおさらいから、安全に関する現場で役立つ製品・技術の情報、仕事の進め方や経験に基づくノウハウが書かれた記事などをご紹介します。
きっと新入社員の人たちもそれぞれの現場で役立つはず!
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はじめに、建設業においてどれぐらい災害が発生しているのか状況を見てみましょう。
建設業労働災害防止協会によると、令和2年の建設業の死傷者数は14,977名、死亡者数は258名で、死亡者数においては全産業の約3割を占めています。
平成31年/令和元年 | 令和2年 | |
全産業死傷者 | (125,611) | (131,156) |
建設業死傷者 | (15,183) | (14,977) |
全産業死亡者 | 845 | 802 |
建設業死亡者 | 269 | 258 |
死傷者と比べて死亡者の割合が多く、建設業では一度災害が起きると死亡に繋がるリスクが高いということがわかりますよね。
また工事の種類としては道路工事、災害の種類としては墜落が最も多く、次いで建設機械、自動車、飛来落下と続きます。
令和2年 建設業における死亡災害の工事の種類・災害の種類別発生状況
建設業の労働災害で最も多い「墜落・転落災害」撲滅のため、平成30年度から毎年「墜落・転落災害撲滅キャンペーン」が実施されています。キャンペーンでは、足場で作業するときは、足場用墜落防止設備(手すり)が設置されているか必ず確認すること、フルハーネス型安全帯の適切な使用などを呼びかけています。特に、2022年1月からは、胴ベルト型の使用が認められるケースを除いたすべての高所作業時にフルハーネスの着用が義務付けられることになりました。
まず手すりでご紹介するのが、建設業界における安全・安心文化の創造を使命として掲げる日綜産業株式会社の「セフトパラペッター」です。
日綜産業株式会社「セフトパラペッター」
セフトパラペッターは枠組み足場用の手すり枠で、スパン間を自由に往来出来る機能が備わっています。
1.8mタイプで重量が10kgと業界最軽量でありながら、先行手すり・二段手すり・幅木(つま先板)・交差筋交いの全ての機能が備わっています。
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ヘルメットやハーネスは作業員の安全を守る大切な装備のため、多くの企業が確実に安全に装着されているかを管理したいと考えていると思います。
そこで、AIで安全具の有無・装着の仕方の判定を行うサービスをご紹介します。
コムシス情報システム株式会社「作業前安全具装着点検 AIJO® Safety」
こちらのAIJO® Safetyは、現場でタブレットやスマートフォンで撮影し、問題があると判定された写真はチェックを付けて通知します。安全管理者向けに全現場の実施状況を確認・管理可能なシステムとなっているため、作業員自身、AI、安全管理者の3重チェックで迅速かつ確実な安全点検を実現することができます。
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「車両系建設機械及び高所作業車の種類別・業種別死亡災害発生状況(公益社団法人 建設荷役車両安全技術協会)」によると、令和2年の土木工事業で最も多いのは、掘削用機械による災害です。
といった災害事例が挙げられています。
安全パトロールやKY活動など、労働災害をゼロにする様々な活動が実施されていますが、人が介在する以上、厳しいのが現実ですよね。
そこでご紹介するのが、労働災害の撲滅を目指して開発された「セーフティークライマー工法」です。この工法を使えば、リモコンで遠隔操作できるため無人で掘削をすることができます。
株式会社ケイエフ「セーフティークライマー工法」
オペーレーターは、離れたところから遠隔操作。機体はワイヤーで吊っているため、足元が崩れそうな危険箇所も転落なく安全・安心に掘削できます。
写真のように、傾斜が急過ぎて通常の掘削機械では転落災害の危険がある場合でも、セーフティークライマー工法なら安心ですね!
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建設業に携わる方の中では、現場でクレーンの操作をするという人も多いのではないでしょうか。小型移動式クレーンの資格は、3日間の学科講習と実技講習を受講し、試験に合格すれば取得が可能です。しかし、短時間の実技講習だけでは実機の運転は不安ですよね。
シンフォニア株式会社「小型移動式クレーン VR訓練システム」
こちらは小型移動式クレーン VR訓練システムです。このシステムを使えば、VRゴーグル、コントローラー、レバーを使って、現場に限りなく近いクレーン操縦を体験することができますよ!
クレーンのワイヤロープ、フック、吊り荷、試験用の障害物は、いずれも「揺れ」「重量感」「衝突」「落下」など、リアルな環境が表現されています。
クレーンの講習会、資格未取得者の方の練習用など1週間からのレンタルも可能とのことですので、実機を使わずとも練習ができるというのはとても魅力的ですよね。
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建設業においては、飛来落下も多い災害の一つです。工事関係者はもちろん、老朽化によりコンクリートが剥落して第三者災害に繋がる、なんてことは決してあってはいけない事故です。そこでご紹介するのがコンクリート剥落防止ネットです。
ナカダ産業株式会社「コンクリート剥落防護ネット」
高速道路、自動車用道路などの高架構造物の老朽化により発生するコンクリート剥落物、高力ボルトの落下物防護を目的として施工するネットです。一般道路との交差箇所など、第三者被害発生の可能性がある箇所に施工することで、被害を未然に防ぐことができます。
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日々技術が進歩し、安全に関する最新技術も様々出ていますので、最後にそちらをご紹介します。
株式会社 ジョーソン ドキュメンツ「VR安全体感教育」
VR(Virtual Reality)を使った体感型の教育コンテンツです。高所での作業や、建設現場、重機がある現場など、主に危険を伴う作業中の事故や装置トレーニングの体感教育コンテンツをお客様の要望に併せて提案していただけます。
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株式会社JALUX「遠隔操縦式草刈機「ROBOCUT」」
こちらは低重心・軽量化した遠隔操縦式のゴム履帯式草刈機です。危険な斜面での作業をROBOCUTで行うことによって、作業現場の安全を確保出来る他、人手不足の解消にも繋がります。
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続いて、新入社員の人に読んでもらいたい記事をいくつかピックアップしてご紹介します。
どんな土木工事においても必要になってくるのが“測量”。
新人時代に測量に関するミスをしたという人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、測量に関する次の2つの記事をご紹介します。
こちらは施工管理業務に携わる20代女性「たろまるさん」の記事です。新人時代にレベル読みを間違えてしまったミス事例について書かれた記事で、なぜ間違えてしまったのか、その時の状況や実施した対策などについてまとめられています。これから施工管理業務に従事するという人は要チェックです!
作業員さんとの日常を、会話などを交えながら1本まとめてくれているのが、こちらの「ローリングMさん」の記事。
プレキャスト側溝の据付作業を実施するにあたって、ローリングMさんと左官が上手なTさんとの作業風景が想像できるような内容になっています。
建設業界では専門用語を使う機会が多くありますよね。記事では、入社して5ヶ月目の新入社員「n.ringoさん」が、当時まさに苦難に直面する様子が書かれています。コンサルタント会社に入社する人、入社した人は必見です!
時間は有限なので、現場ではちょっとした工夫の積み重ねがとても重要です。こちらは20年以上現場監督をしている「RC.オガさん」が、先輩や同僚から教わった“時短するための工夫”について書いた記事です。長年現場監督をしている人であればごく当たり前のことかもしれませんが、これから現場監督デビューをする人に読んでいただきたい1本です。
この記事では、建設業で施工管理業務に10年携わっている「gero-14Rさん」が、建設業において時間外労働が多い理由、時間外労働の上限規制が実現可能なのかどうかといったところに関して、リアルな意見を述べています。
その他、施工管理業務に携わる女性向けの記事や現場での失敗事例など役立つ記事を掲載していますので、ぜひご覧ください。
野帳の記事一覧はこちら
今回の「新年度特集」はいかがでしたか?春から建設業界で働き始める人はワクワク・ドキドキされていることと思います。
長年携わっている人も慣れから大きな事故に繋がる可能性もあります。今一度基本を大切にお仕事に励んでくださいね。
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