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  • 2022年11月30日 07:00 nicoさん
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    汚泥処理施設を集約化することの有効性

    汚泥処理施設の老朽化による施設更新が増加する中で、施設の集約化は持続的な事業運営を行うために有効な手法の一つとされています。汚泥処理を単独の処理地域ではなく、都道府県単位の広いエリアを対象として、集約処理を検討する傾向があります。汚泥処理施設を共同で使用するためには、都道府県と市町村および近接する市町村同士のコミュニケーションが重要な要素となっており、コストの問題をクリアすれば集約化できることが注目されています。今回は、汚泥処理施設を集約化することの有効性について記載します。下水汚泥の集約処理について ①下水汚泥のエネルギーポテンシャル下水処理から発生する下水汚泥は燃料・肥料として高いポテンシャルを有しており、バイオガスや固形燃料としてエネルギー利用が可能であり、リンを含む肥料を製造し、農業等において有効活用が可能です。下水汚泥の持つエネルギーを全量発電に用いた場合、年間約600億円分の電力(約110万世帯分)に相当下水処理場に流入するリン全量を農業利用すれば、海外から輸入するリンの年間約120億円分(約10%)に相当出典元:「バイオマス産業社会ネットワーク第176回研究会(平成30年7月4日)」資料 国土交通省 水管理・国土保全局 ②下水汚泥の広域利活用構想下水汚泥処理施設の共同化を計画する場合、都道府県構想を構成する「整備・運営管理手法を定めた整備計画」の一部として、都道府県が下水汚泥広域利活用構想を策定します。整備計画の中で都道府県構想の汚泥処理に関する部分を計画して、中長期に渡る都道府県内の広域的な汚泥利活用の基本方針、汚泥処理区域、年次スケジュール等を取りまとめます。 ③広域化・共同化計画策定の進め方「広域化・共同化計画」の検討にあたっては、都道府県の全市町村が検討の枠組みに参加し、検討を進めていくことが必要です。広域化・共同化の実施には、管内市町村の合意を得て、初めて集約処理することが可能になりますが、関係市町村の合意に時間を要するため、早期に検討を着手しなければなりません。合意を得るために時間を要してでも、理解を求めていくことが重要です。汚泥の集約処理に参加することに合意した市町村は、対象処理区の下水道事業計画書に下水汚泥広域利活用計画を記載し、事業計画を策定していきます。出典元:「下水汚泥広域利活用検討マニュアル(平成31年3月)」 国土交通省 水管理・国土保全局 ④汚泥集約処理施設のブロック割都道府県で汚泥を集約処理する場合、都道府県構想で数箇所の大規模処理施設を汚泥の集約処理施設として計画します。都道府県の大きさ、交通網により箇所数は異なりますが、主に5つの要因(※1)でブロック割しており、各ブロック単位で検討することが有効です。集約するエリアは3箇所から5箇所であるケースが多く、集約処理施設は都道府県が管理する流域下水道の処理施設に集約しているケースが多く見受けられます。(※1)地理的要因、歴史的文化圏・社会経済圏(連携中枢拠点都市圏等の広域連携の枠組み)、流域、都道府県の行政事務所管轄範囲 ⑤集約処理のコスト比較集約処理すると汚泥処理施設を運営する必要がなくなり、市町村はハード面において建設、改築修繕に関するコストを削減でき、ソフト面においては維持管理に関するコストを削減できます。集約処理する場合、都道府県は汚泥処理施設を建設、改築修繕、維持管理するコストは掛かりますが、構想において汚泥処理施設の規模が増大化するコストとの比較検討が必要になります。市町村が集約処理に合意する条件としてコストの問題が大きく、汚泥を集約処理する施設と排出する処理施設の位置が運送コストを決める要因となっています。集約処理を受け入れる自治体の決定要因について ①コストメリットの概要汚泥処理施設では、濃縮→脱水→焼却→埋立→堆肥化→メタン発酵処理の工程が実施されています。処理施設が小規模の場合、脱水汚泥を処理するコスト(円/t)よりも集約処理する際の支払コスト(円/t)が安価であれば、自治体は集約処理に応じるはずです。 ②コストメリットの詳細建設、改築修繕、維持管理に必要なコスト(支出コスト①)と集約処理する場合の汚泥を処理するコスト+汚泥を各下水道処理施設から運搬するコスト(支出コスト②)の比較となります。この比較が集約処理する際の決定要因となっており、集約する処理施設の近隣の自治体は運搬コストが安価となるため、集約処理を受け入れるケースが多く見受けられます。まとめ我が国の下水道事業は厳しい財政状況の下、維持管理の重要度の増大、下水道資源・エネルギーの利用促進への対応が大きな課題となっています。既設下水道施設の現状を把握し、適切な維持管理および改築更新が不可欠であり、効率的にそれらを実施しながらコストを縮減する必要があります。下水汚泥を集約処理する目的は、後に記載する資源化等の利活用にあります。集約化するためには、都道府県が下水汚泥広域利活用構想を策定し、市町村に構想を合意してもらい事業化していかなければなりません。下水汚泥広域利活用構想を事業化する意義について管内市町村から理解を得られることによって、現在よりもエネルギー・資源の利活用のメリットおよび必要コストが少額になることを示します。下水汚泥は焼却し、建設資材として利用するのではなく、以下のように多様な資源・エネルギーとして利活用できます。下水汚泥をバイオガス化してバイオガス供給事業を推進 → ガス事業者等バイオガス発電で電気供給事業を推進 → 電力供給会社に売電リンを回収しコンポスト化してリン等資源供給事業を推進 → 肥料会社等固形燃料化で固形燃料供給事業を推進 → 発電所等出典元:「バイオマス産業社会ネットワーク第176回研究会(平成30年7月4日)」資料 国土交通省 水管理・国土保全局「下水道」に関する製品・工法をお探しの場合はこちら※本文内にある一部のキーワードをクリックすると、該当する製品・技術情報にアクセスできます。 匠の野帳の更新が受け取れる『サガシバ』メルマガ 月2回の配信を行っています。匠の野帳の更新情報以外にも、人気の製品や相談など情報満載!ご登録はこちら

  • 2022年11月16日 09:45 サガシバ編集部さん
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    試験調査会社が開発した自動試料分取装置とは?

    連載第5回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「堤防開削調査とは?」を掲載いたしました。■前回の記事はこちら「機械にやらせればいいじゃん!」と言われたのがキッカケ!人に代わり土質試験の前処理をするロボットの開発に至った経緯や開発中の苦労、今後の展望とは? 自動試料分取装置とは?土質試験で使用する試料は、1現場あたりで土のう5、6袋が宅配便で届きます。土質試験の前処理として、各試験に必要な分量に取り分け、試験規定範囲外の礫を取り除く作業を手作業で行います。これは体力的負担が非常に大きいので取り入れました。 自動試料開発に至った経緯は?開発を考え始めたのが2016年になります。その頃は会社の成長過程で試料の入荷が増え始めましたが人手不足の状態でした。省くことができない手作業の業務は体力的負担が非常に大きいため、人材に負担をかけ潰しかねないという懸念がありました。その時に機械になんとかできることはないだろうか、そうすれば体力的に不安を抱えている人も作業できるのではないかと考えたのがきっかけです。 開発の流れは?ご協力いただける設計会社を探すのに大体半年ぐらいかけたと思います。実際に業者さんに足を運び擦り合わせし、構想やプランを挙げていただくのに半年。図面を書いてもらって徐々に作り上げていくのにさらに1年ぐらいかけました。試験センターに入れたのは2019年の1月ですが、そこからすぐに使用できるわけではなく、実務に取り入れながら改善をしています。問題ないという状態になるには、そこからさらに1年ぐらいかかりました。自然物を機械で扱うのは難しい 開発中に苦労したところ試験によって必要な土の分量はそれぞれ違いますが、それを取り分ける方法は文献で決まっています。それをどうやって機械にさせるかをこだわりました。石を取り分ける時はふるいにかけますが、土によってうまくふるい目を通るものもあれば通らないものもあります。さらさらしたものは通りやすいですが、粘土はダマになり通りません。あとは水分量によってもくっついてしまいふるい目を通りません。そこが非常に大変な部分です。 自動試料分取装置の導入後はどのような変化がありましたか?ふるい分けの業務は、これまで体力的に男性が行っていましたが、現在は機械オペレーターを女性がメインになって動かしています。それだけでも重労働が極端に無くなりました。また機械が動いている間にオペレーターはほかの作業を行っています。1試料動かしている間にもう1試料分の仕事もやっているような形で効率が非常に良くなっています。 今後の展望は?今ではいろいろな土に対応できるようになっていますが、一部まだ対応できていません。機械をさらに改良して、ほとんどの土に対応できるようなものに仕上げていきたいです。すべての種類の試料に対応してフル稼働しているような機械にしたいです。  技術者へのご相談・お問合せはこちらまで 業務案内ページ「DKnote」まで▶ https://service.dksiken.co.jp/    YouTube動画▶ ロボットが土質試験?マジでこんなロボ作っちゃった!! 土質試料自動分取装置のご紹介

  • 2022年11月09日 10:00 nicoさん
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    ICTを活用した下水道事業の集中管理

    下水道事業の集中管理を行うべき時代が来ました。下水道職員が減少しており、下水道処理場管理に必要な業務を分担できるためICT(情報通信技術)を活用することが注目されています。処理場管理において問題点が発生した際はその場で判断するのでなく、中枢処理場へICTを活用して連絡し、リスクを回避します。また、定常運転するための維持管理、中長期的な改築更新を検討する施設管理が必要です。ICTは経営資源の見える化を図るための有効なツールとして位置づけられています。処理場管理においてはICTを活用することで客観的、定量的な情報に基づき、リスク管理、維持管理、施設管理をひとつの自治体で賄うのではなく、集中管理すれば適切な人員配置が可能となることを皆さんに知っていただきたく、本テーマを選定しました。管理運営にあたり下水道事業の現状と課題下水道使用料だけでは汚水分の維持管理費を賄えず、不足分については一般会計繰入金に依存している状況であり、今後の人口減少による減収、下水道施設の老朽化を踏まえ適切な維持管理を実施するための経費増加など、多くの課題を抱えています。下水道職員の減少は防ぐことができないため、少人数で下水道業務を担当しなくてはなりません。処理場については、人口5 万人未満の中小市町村を除くと、処理水量10,000m3/日当たりの維持管理職員数は、概ね2~3 人というのが実態です。出典元:国土交通省水管理・国土保全局水道部 持続的かつ質の高い下水道事業の展開に向けたICT活用ビジョン(平成26年3月)ICT導入の留意点およびボトルネック  ICT導入の留意点ICT導入は最終的なゴールではなく、絶えず有効に活用できるように更新および新規の施設建設があれば、拡張が必要です。それらを踏まえ、当初はスモールスタートとして、段階的に機能を拡張するイメージで検討すべきです。また、ICTに頼り切りになるのではなく、施設のメンテナンスなど人的管理を適性に行うことを前提にして、施設の改築更新データの更新が必要不可欠です。セキュリティや遠隔地でのデータバックアップなどの対策も重要になります。  ICT導入のボトルネック ①検討着手段階のボトルネック維持管理職員が問題発生時にICTを用いるという着想に至らない。技術の革新が速く、最新技術情報の入手が困難である。ICTを理解し、導入を進めるスタッフがいない。検討着手時に上記3点をクリアするため、民間のアドバイザーより情報共有を受け、自治体職員の育成を行うことが重要です。 ②検討実施段階のボトルネックICT採用の経験に乏しく、導入に必要な手続きや留意事項が想定できない。導入したいICTがあっても、現状の業務プロセスと馴染まない。導入判断するための技術的知見が乏しい。検討実施時に上記3点をクリアするため、今後、事例を検討する自治体へ発信および資料の提供を行うことが重要です。ICT導入にあたって ICT普及促進プラットフォームの構築国は自治体や企業等の先駆的な取り組みを行うための場の提供など、支援の取り組みを行っています。特にICT導入の初期段階には、これを積極的に支援することが重要であり、具体的な取り組みとして下水道ICT普及促進プラットフォームの構築を図ることとしました。出典元:国土交通省水管理・国土保全局下水道部 下水道におけるICT活用に関する検討会報告書 第6章6.1(3) ICT活用のメリット政府発表の「経済財政運営と改革の基本方針」では、センサー、AI診断、IoT技術、ビッグデータ分析など、あらゆる技術を活用するためのテクノロジーマップを整備し、実装を加速させる、と記載されています。出典元:経済財政運営と改革の基本方針 2022 新しい資本主義へ 別紙 第2章1(5)ICT運用方法について ICT活用による集中管理ICTを活用した処理場等の集中監視・遠隔操作はまさに該当項目であり、遠隔地でのバックアップのみならず、適切な集中監視・遠隔操作することで水処理・汚泥処理・汚泥のエネルギー化など様々な項目でビックデータ分析が可能です。しかし、すべての処理場でこれらを活用できる人員を配置するには高コストがかかります。広大なエリアをカバーする場合、複数の処理場が必要となりますが、ICT活用により適切な人員配置が可能となります。 ICT活用による共同化指示するスタッフを中枢処理場に配置し、ICTを活用して施設を共同監視します。各施設に維持管理職員を配置すれば、適切な処理場施設の運用が可能となります。下に示す図のように中核処理場の水質管理室を共同で利用し、周辺町村と光回線で結び遠隔監視体制を築きます。中核処理場に巡回点検スタッフを配置し、定期的な巡回保守点検を実施します。出典元:下水道事業における広域化・共同化の事例集【概要版】(令和4年4月)23ページまとめ我が国の下水道事業は厳しい財政状況の下、維持管理の重要度の増大、下水道資源・エネルギーの利用促進、浸水や地震・津波への備え、少子化問題やベテラン職員の大量退職による人材不足・技術継承への対応といった多岐にわたる課題に直面しています。そのため、既設下水道施設の現状を把握し、適切な維持管理および改築更新を効率的に実施し、かつコストを縮減する必要があります。ICTを活用して複数処理施設を共同監視することで、維持管理コストや処理場管理人件費を低減できる他、水質試験室を共同化することで省スペース化も図れます。短期的にはこれらがメリットではありますが、長期的にICT活用で処理場の集中管理を行うことで、次のことが習慣化されます。ICT企業から最新情報資料、技術開発動向、導入実績など様々な情報を収集すること。自治体・共同管理協議会との情報共有により、施設の改築更新時に必要な設備に関する最新情報を得ること。その結果、その地域の流入水質、流入水量に対して、必要な施設の概略を指示できるようになります。地域の情報を改築更新のためにゼロから収集するよりも、ICT活用により複数施設の情報を集中管理することで、必要な情報を適切に管理できればメリットがあります。【この記事を読んでいるあなたへ】「下水道」に関する製品・工法をお探しの場合はこちら※本文内にある一部のキーワードをクリックすると、該当する製品・技術情報にアクセスできます。 匠の野帳の更新が受け取れる『サガシバ』メルマガ 月2回の配信を行っています。匠の野帳の更新情報以外にも、人気の製品や相談など情報満載!ご登録はこちら

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