【失敗から学ぶ】コンクリート工事では、温度管理や測量時の丁張りが重要!―ひび割れ・ジャンカ・天端の高さ調整の失敗について―

前の記事   次の記事

生コンクリート打設は、一大イベントではないでしょうか。

計画から準備、そして施工と、どれをとっても疎かにはできません。実際、現場で“今日は生コンの打設”となると緊張するものです。予定通りに生コンの打設が完了しても、なぜか仕上がりが思ったようにならないこともあります。生コンの打設は、養生期間が終わって型枠を脱型するまで成功したのか失敗したのかが分かりませんが、失敗してもよほどのことがない限り修正できるので安心してください。


コンクリート工事での代表的な失敗例



コンクリート工事の代表的な失敗例として、

  1. ひび割れが入る
  2. ジャンカが入る
  3. 天端の高さが違う
  4. 試験体の強度不足
  5. 打ち継ぎの失敗
  6. 鉄筋かぶりが取れない

などが挙げられます。

今回は「1.ひび割れが入る」「2.ジャンカが入る」「3.天端の高さが違う」の3つの原因と予防策・回避策についてご紹介したいと思います。


1.ひび割れが入る



打設完了時からの養生の仕方が悪いと、ひび割れしてしまうことがあります。

  • 養生シートが強風で飛ばされてしまい、直射日光にさらしてしまった
  • 打設した次の日の気温が予想以上に高くなり、散水した水がすぐに乾燥してしまった

など、天候には十分に注意しなくてはいけません。

休みの前日に打設して、次の日の散水を忘れたりすることもあります。養生のために休日出勤しなくてはいけないのですが、良いものを作るためには休みも返上しなくてはいけないのかもしれませんね。

打設完了後は、暑い時は養生シートで覆って保水状態を保ち、直射日光を当てない。寒い時は暖房を入れ、コンクリートの表面が乾燥しないように適宜散水するなど、養生時の温度管理が重要です。また、必要以上に温度が高くても失敗するので注意が必要です。

コンクリートのひび割れを起きにくくする予防策としては、「コンクリート用膨張材」や「乾燥収縮低減剤」を使用するということが挙げられます。生コンクリートに混ぜることによって、収縮変形を抑制し、乾燥収縮などのひび割れの発生を低減することができます。

また、型枠を外した後でコンクリート表面に塗布する「高性能塗布型収縮低減剤」もあります。ひび割れが心配なら、施工時にひび割れ対策を合わせて行うのが得策かもしれません。いずれにしても担当の監督に了承してもらう必要があると思いますが、費用はみてくれないかもしれません。


2.ジャンカが入る


生コンを投入後、電動バイブレーターを十分にかけて空気を抜きますが、ジャンカが入るのは主に打設時の、振動バイブの掛け方が不十分なことが原因だと思われます。生コンを投入する速度が速すぎると、バイブを掛けるのが遅れて生コンの気泡がうまく抜けず、ジャンカになると思われます。

予防策としては、打設経験が豊富な信頼できる作業員を配置するということが挙げられます。

バイブレーターの掛け方が足りているのか不足しているのかということは経験でしか分かりません。また打設する箇所によって、電動バイブレーターの大きさも丁度良いものかどうか検討しましょう。建物の壁など打設時には、壁用の電動バイブレーターを用意します。

仮にジャンカが入り、表面がアバタになった場合は、補修材を使って左官で修正ができます。また深くえぐれた場合は、型枠を取り付けて、無収縮モルタルを流し込んで修正します。監督によっては、無収縮モルタルの強度試験をするように求められることもあります。私も自分で供試体を取って、コンクリート工場の試験室で無収縮モルタルの強度試験を行ったことがあります。きちんとした水量を入れてかき混ぜ、時間など所定の方法で行っていれば、必要な強度は得られるので問題ありません。


3.天端の高さが違う



ンターロッキングの下地や縁石ベース、またはマンホール底盤の基礎コンクリートなどは設計の高さが決められています。インターロッキングや縁石ベースは、高さ調節に砂を15~20mm入れます。10mmほどの多少の高さの違いであれば修正可能です。しかし、高さが20mm以上違うと上物のインターロッキングや縁石が付けられません。

天端の高さが違った場合、修正するには、電動ピックで高い分を斫る方法しかありません。決められた高さに打設するために丁張をかけるのですが、測量時に丁張を間違えたことから起きるのです。天端の高さが違うという失敗をしないためにも、打設する前に、検測して丁張に間違いがないか確認することをお勧めします。

少人数で、限られた時間で施工すると間違いに気が付かないことがあります。また、左官工の能力が劣っていると、打設後に表面を均して仕上げる際に平らにならず、腹が張ったタイコ状態になってしまうこともあります。インターロッキングなどの広い面の施工では、丁張の間隔が広すぎて高さがよく分からないこともあります。

コンクリート工事での仕上げ面は、制作するモノによって違ってきます。そのため施工は、制作するモノにあった左官工事ができる作業員にさせなければいけません。縁石ベースやインターロッキングの面は左官工事ができる作業員で十分ですが、建築工事の土間やタタキ部分、屋根などは建築専門の腕の良い左官職人に施工させるのがよいでしょう。


次回は、「④試験体の強度不足」「⑤打ち継ぎの失敗」「⑥鉄筋かぶりが取れない」の3つについてお伝えしたいと思います。

【この記事を読んでいるあなたへ】

「セメント・生コン」に関する製品・工法をお探しの場合はこちら

※本文内にある一部のキーワードをクリックすると、該当する製品・技術情報にアクセスできます。

この記事のライター
元は測量士で、今は土木の現場監督。北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。
『サガシバ』に会員登録して、匠の野帳をもっと便利に!
会員登録すると、最新記事の情報が受け取れる他、便利な使い方がたくさん!

RC.オガさんの匠の野帳をもっと見る

2022年06月29日 10:14 RC.オガさん
0 0
前回「コンクリートのひび割れ原因とひび割れの種類について」でひび割れの発生原因と種類についてご紹介しました。施工にどんなに注意を払っても、起きてしまうのがコンクリートのひび割れです。一口にひび割れと言...
0 0
2022年06月22日 10:24 RC.オガさん
0 0
特に、手を抜いたわけでもないのにコンクリート打設した構造体に、発生したひび割れを発見した時の驚きは、何度経験しても良いものではありません。ひび割れが起きる原因は大きく分けて、材料・設計・施工の3つに起...
0 0
2022年04月13日 10:09 RC.オガさん
3 2
暑中コンクリートとは土木学会示方書[施工編]および JASS5 では、日平均気温が25℃を越えることが予想される期間を暑中コンクリートの適応期間としています。生コンクリートが外気温の影響を受け、凝結時間が短くなり...
3 2
2022年02月16日 15:56 RC.オガさん
3 1
生コンクリートを打設して構造物を製作する工事では、品質を保証するために品質試験をしなければなりません。生コンクリートの品質試験生コンを受け入れる品質試験は、スランプ検査空気量測定生コンクリート温度の検...
3 1
2022年02月02日 10:13 RC.オガさん
7 5
生コン打設がメインの構造物を作る工事では1回1回の生コン打設が重要になってきます。生コンを打設するには、打設前に生コン打設計画書を作成しなくてはいけません。計画書には、人員数や打設量、現場の見取り図など...
7 5
2021年11月17日 13:31 RC.オガさん
6 2
元測量士ですが、北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向しました。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。今回はここ3年ばかり、私が携わっている下水道の維持管理業務...
6 2
2021年09月01日 10:38 RC.オガさん
6 5
前回は2回に分けて下水道の維持管理についてご紹介しました。「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その1~」はこちら「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その2~」はこちら今回は、下...
6 5
2021年07月28日 09:52 RC.オガさん
4 2
前回「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その1~」で下水道本管修繕工事の流れについてご紹介しました。今回はその2として、5以降の項目についてご説明したいと思います。下水道修繕工事の流れ発注...
4 2
2021年06月16日 14:01 RC.オガさん
11 4
都市には、生活する上で欠かせないインフラ(インフラストラクチャー)があります。インフラは、道路、上下水道、電気、電話、鉄道など生活や産業など営む上で必要不可欠な社会的基盤になっています。私は、道路・上...
11 4
2021年04月28日 11:34 RC.オガさん
11 9
前回に引き続き「コンクリート工事での失敗と対策」についてお伝えしたいと思います。コンクリート工事の代表的な失敗例として、ひび割れが入るジャンカが入る天端の高さが違う試験体の強度不足打ち継ぎの失敗鉄筋か...
11 9
1ページ / 3ページ中
会員登録(無料)