現場紹介「下水道管路緊急補修業務」

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元測量士ですが、北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向しました。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。今回はここ3年ばかり、私が携わっている下水道の維持管理業務の中から、平成30年に実施した下水道管路緊急補修工事をご紹介します。


工事概要


業務名
(仮称)S市T区下水道管路緊急補修業務
指示書№
3001
工期
H30.9.10~10.20
概要本管修繕  本管布設替え 埋め戻し 舗装仮復旧

この工事は、2018年(平成30年)9月6日に北海道胆振地方中東部を震央として発生した北海道胆振東部地震による下水本管の破損を復旧する工事です。地滑りにより段差が出来た道路の下水本管が破断したため、破損した管を撤去して、応急処置として黒い蛇腹管で繋いで排水を流せるようにしました。本復旧は数ヶ月に渡って行われ、段差が出来た道路と下水本管を復旧する予定となっていました。本工事はその本復旧までの緊急的措置となります。

 

着工前の現場

地震により地滑りが起こり道路の高さが不自然になっています。応急処置として砕石で段差を解消し、擦りつけています。


 

現場前の住宅

道路の段差により舗装が切断されています。

監督員からは、応急措置なのでダイプラスーパー管を使用するように指示されていました。工事の流れとしては、まず既設管を撤去し、その後砕石を敷均し転圧して基礎としました。次に傷んだ下水本管を撤去し、既設管との間にダイプラスーパー管を挿入して繋げました。ちなみにダイプラスーパー管は、役所から支給されました。水漏れを起こさないよう、下水用接着剤をつなぎ目に塗り、さらにその上からモルタルで防護しました。


苦労した点


緊急性を伴うので、早急の施工が望まれます。指示書を受け取ってから二日後に施工しました。緊急工事と言っても流石に明日から工事するとはなりません。地下埋設物調査や協力会社の手配といった段取りがあるので、中1日は準備の日が必要です。工事自体は、施工量も多くないので1日の工事で終わります。そのため、指示書の工期も1ヶ月と短くなっています。

今回に関しては緊急だったため社長と相談して、他工事の予定を変更して施工できるように段取りしました。


工夫した点


下水本管が破断したので、既設管を撤去すると溜水が多量に出てくることが考えられました。そのため、下水の維持会社にバキュームを依頼して、ヘドロなど汚水の吸引をお願いしました。




この後、路床まで砂で埋戻し、路盤砕石は40cm厚で施工しています。埋め戻しは、1mになるまで30cmずつ敷均し、転圧を行います。1m以上は、20cmずつ埋め戻し転圧します。

 

翌日に、反対側の雨水本管を修繕するため、判断面しか舗装していません。数ヶ月後に道路改良工事が行われる予定なので、それまでの応急処置です。


近くの公園にあったマンホール液状化現象で40cmほど浮上していました。もちろん、この浮上したマンホールも補修しています。

この年の9月から10月にかけては、地震関連の緊急工事ばかりやっていたと思います。何よりも土中で、コンクリート製ヒューム管が破断しているのを見たのは初めてです。地震の力がいかに凄いのか痛感させられました。

全国には、私と同じような業務をされている方がいると思います。少しでも参考にしてもらえればうれしい限りです。

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元は測量士で、今は土木の現場監督。北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。
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