土木における生コンクリートの打設方法とその後の養生~その2~

  • LINE

前の記事   次の記事

前回の「土木における生コンクリートの打設方法とその後の養生 ~その1~」に続き、生コンクリートの打設後の養生についてお伝えします。

養生期間は、初期強度が出るまでとなっています。1日で養生が終わるところもありますし4~5日から3週間ほど養生しなくてはいけないところもあります。打設前に確認しておかないといけないところですね。

生コンクリート打設後の養生は、外気温によって異なります。

「暑中コンクリート」や「寒中コンクリート」についてはご存知かと思いますが、今回は私がそれぞれの生コンクリート打設後の養生で注意した点を併せてご紹介します。


通常:外気温が5~25℃の場合の養生


外気温が5~25℃の場合は、通常の簡単な養生方法で大丈夫です。方法は、まず打設面に養生シートを掛け直射日光にさらされないようにします。さらに、風で養生シートが飛ばされないよう、型枠に釘止めや重しを載せるなどの措置をします。


暑中コンクリート:外気温が25℃を超える場合の養生



外気温が25℃を超える場合、風で養生シートが飛ばされないよう処置をした後に、乾燥しないよう養生シートに散水します。陽が落ちれば気温が下がって来るので、あまり心配は要りません。しかし、日の出とともに気温が上昇してきますので、早朝に散水する必要があります。日中も、養生シートが乾燥してしまう前に散水が必要です。縁石基礎などは、養生期間が1~2日でとても短いのですが、建築物などは養生期間が長いので、養生作業を続けるのは大変です。



寒中コンクリート:外気温が4℃以下の場合の養生


外気温が、4℃以下に下がるときは寒い時の養生が必要です。打設箇所を囲い、暖房を入れ、温度を5℃以上に上げて養生期間を過ごさなくてはいけません。


施工内容に応じた暖房の方法

①縁石ベースなどの場合


縁石ベースなどは、丁張や杭、胴縁などで枠を造り、風よけのブルーシートなど張り付けましょう。この場合は、練炭ストーブなどで暖房すればよいでしょう。ストーブは熱を持つので火事に注意しなくてはいけません。安全確認のため数時間おきに見守る必要が出てきます。また、練炭ストーブは有毒ガスの一酸化炭素が排出されるので、人が入るようなところでは使用できません。


②打設箇所が大きい場合

打設箇所が大きい場合は、大きく養生箇所を囲い、感温機(温度センサー付ストーブ)を使用して暖房します。感温機は養生する温度が設定できて、設定温度よりも下がれば暖房が入り、設定温度よりも上がれば暖房が切れる、便利な暖房器具です。例えば、養生温度を15~22℃とすれば、22℃よりも暖かくなれば暖房が切れて15℃よりも寒くなると暖房が入るということです。

注意点は、「燃料を満タンにした場合に何時間もつか?」ということを確認しておくことです。満タンで10時間運転可能ならば、夜8時に満タンにすれば朝の6時まで運転可能になります。小さな燃料タンクでは、頻繁に給油しなくてはいけないので注意が必要です。また、耐震装置が付いているため、足場の揺れるところに感温機を設置した場合は止まってしまうことがあります。設置後は誤動作がないように注意し、きちんと作動するか確認しておく必要があります。


防凍剤でコンクリート中の水分の凍上を予防する

外気温が低くなると、コンクリートの硬化に時間がかかります。防寒養生を行わないと生コンクリート中の水分が凍上してしまい、製品として納品できなくなります。防凍剤は、生コンクリートの水分が凍上しないようにする予防剤です。万が一、暖房が切れてしまっても防凍剤を生コンクリートに混ぜておけば凍上することがないので安全です。防凍剤は、生コンクリートを発注する際に工場に頼むと入れてもらえます。


品質管理に加え、温度管理の書類が必要


寒い時の養生で面倒なのが温度管理です。外気温と、養生内の温度を養生開始から終了まで連続して記録しておかなければいけません。箱型の自記記録計を2つ用意して、養生内と外気温度を測定します。外気温を測るときは、風や直射日光が当たらないところで測定するようにします。直射日光が直接あたると、真冬なのにとんでもなく高い温度が出て成果品として書類添付できません。(養生温度は、5~25℃の内にあること)

自記記録計の他に、センサーで記録できるものもあります。こちらはデジタルなので、記録用紙を取りかえる必要がなく管理が簡単です。

寒い時の養生では、品質管理に温度管理(養生内の温度と外気温)の書類が増えることを覚えておきましょう。

生コンクリートの打設が、うまく終わってもその後の養生がしっかりしていないと製品として納品出来ないこともあります。外気温に注意して、きちんと散水したり暖房したりしないといけません。最後まで注意して製品に仕上げましょう。

関連記事:土木における生コンクリートの打設方法とその後の養生 ~その1~

【この記事を読んでいるあなたへ】

「セメント・生コン」に関する製品・工法をお探しの場合はこちら

※本文内にある一部のキーワードをクリックすると、該当する製品・技術情報にアクセスできます。

コンクリート工事で失敗しないためにも最後まで気を緩めないのが大事ですね!

サガシバに会員登録すると、現場で役立つ最新記事の情報が受け取れるんだって!みんなもぜひ登録してみてね。

会員登録はこちら

この記事のライター
元は測量士で、今は土木の現場監督。北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。
『サガシバ』に会員登録して、匠の野帳をもっと便利に!
会員登録すると、最新記事の情報が受け取れる他、便利な使い方がたくさん!

RC.オガさんの匠の野帳をもっと見る

2022年04月13日 10:09 RC.オガさん
2 1
暑中コンクリートとは土木学会示方書[施工編]および JASS5 では、日平均気温が25℃を越えることが予想される期間を暑中コンクリートの適応期間としています。生コンクリートが外気温の影響を受け、凝結時間が短くなり...
2 1
2022年02月16日 15:56 RC.オガさん
2 0
生コンクリートを打設して構造物を製作する工事では、品質を保証するために品質試験をしなければなりません。生コンクリートの品質試験生コンを受け入れる品質試験は、スランプ検査空気量測定生コンクリート温度の検...
2 0
2022年02月02日 10:13 RC.オガさん
7 5
生コン打設がメインの構造物を作る工事では1回1回の生コン打設が重要になってきます。生コンを打設するには、打設前に生コン打設計画書を作成しなくてはいけません。計画書には、人員数や打設量、現場の見取り図など...
7 5
2021年11月17日 13:31 RC.オガさん
6 2
元測量士ですが、北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向しました。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。今回はここ3年ばかり、私が携わっている下水道の維持管理業務...
6 2
2021年09月01日 10:38 RC.オガさん
6 5
前回は2回に分けて下水道の維持管理についてご紹介しました。「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その1~」はこちら「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その2~」はこちら今回は、下...
6 5
2021年07月28日 09:52 RC.オガさん
4 2
前回「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その1~」で下水道本管修繕工事の流れについてご紹介しました。今回はその2として、5以降の項目についてご説明したいと思います。下水道修繕工事の流れ発注...
4 2
2021年06月16日 14:01 RC.オガさん
11 4
都市には、生活する上で欠かせないインフラ(インフラストラクチャー)があります。インフラは、道路、上下水道、電気、電話、鉄道など生活や産業など営む上で必要不可欠な社会的基盤になっています。私は、道路・上...
11 4
2021年04月28日 11:34 RC.オガさん
11 9
前回に引き続き「コンクリート工事での失敗と対策」についてお伝えしたいと思います。コンクリート工事の代表的な失敗例として、ひび割れが入るジャンカが入る天端の高さが違う試験体の強度不足打ち継ぎの失敗鉄筋か...
11 9
2021年04月21日 10:40 RC.オガさん
15 10
生コンクリート打設は、一大イベントではないでしょうか。計画から準備、そして施工と、どれをとっても疎かにはできません。実際、現場で“今日は生コンの打設”となると緊張するものです。予定通りに生コンの打設が完...
15 10
2021年01月27日 10:25 RC.オガさん
10 8
今回のテーマは、生コンクリート打設と打設後の養生についてです。夏の暑い時期と冬の寒い時期に大変なのが生コンクリートの打設後の養生です。特に寒さが増す、厳冬期の打設後の養生は大変なものがあります。私が経...
10 8
1ページ / 3ページ中
会員登録(無料)