下水道の新設管設置工事の流れ

  • LINE

前の記事   次の記事

前回は2回に分けて下水道の維持管理についてご紹介しました。

  • 「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その1~」はこちら
  • 「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その2~」はこちら

今回は、下水道の新設工事についてお話ししたいと思います。ここでは、最も簡単な例としてマンホールを新設し、新設したマンホールから既設マンホールと既設下水道本管に繋がる下水道新設管設置工事を想定しています。


下水道新設管設置工事の流れ


  1. 着工届・打ち合わせ
  2. 施工計画書作成・現地踏査
  3. 現地測量・資材置き場の手配
  4. 住民PR・準備工
  5. 現場施工
  6. 後片付け
  7. 竣工書類作成
  8. 検定

大まかな新設工事の流れは、以上です。では1~6のそれぞれの項目について詳しく見ていきましょう。


1.着工届・打ち合わせ


工事が発注されたら、「図面」「数量計算書」「特記仕様書」を役所からもらいます。現場代理人に任命されたら、それらを熟読し理解しなければなりません。不明点があれば、役所の監督員に質問をして明らかにしましょう。


2.施工計画書作成・現地踏査

工事施工箇所を現地調査します。街中なのか郊外なのか、施工する上で注意点がないかなど、現地を実際に歩きながら考察します。また、骨材や資材を置ける空き地があるか見て回ります。


3. 現地測量・資材置き場の手配


現地測量では、基準となる高さを測量します。近くの工事ベンチから高さを測量して誤差範囲内に入るよう観測します。管路のセンター、マンホールのセンターに加え、控え杭も設置しなくてはいけません。施工用の仮ベンチも100mおきに設置しておくと施工中の測量が楽になりますね。

資材置き場は、2~3日ほどの短期間で終わってしまうような工事であれば重要ではありませんが、一ヶ月にも及ぶ工事であれば確保できない場合、施工が大変になります。工事箇所の近くに資材置き場が確保できると時間の節約になります。


4.住民PR・準備工


工事で迷惑をかけそうな家には、事前に説明しておくのがよいでしょう。工事を開始する1週間くらい前に、住民PR用チラシを配布します。監督員によっては事前に打ち合わせをして配布先を決める場合もあります。

準備工では、現場事務所や物置、安全掲示板や社旗などを設置します。工事看板も設置しますが、多少の風雨でも看板が飛んだり倒れたりしないように重石や杭で固定します。

工事に必要な下水本管の数量を出して手配します。商社に連絡して、現場に入るまでの日数も確認しておく必要があります。工事に間に合うかどうかきちんと確かめておかないと、工事ストップの最悪な事態を招いてしまいます。


5.現場施工


事前に計画した工事に着手します。現場代理人の仕事は“段取り7分”と言われるほど、事前準備がとても大事です。一日の施行距離から作業員、工事車両、協力会社など、必要な手配を行わなくてはいけません。また、実際に数日施工してみて、「計画に無理がないか」「逆に余裕があり過ぎないか」など、計画の変更が適宜必要になってくるでしょう。まれに、思わぬ天候不順で作業を中止にしなくてはならない日が続くこともあります。とにかく、臨機応変に計画を変更できるように心がけておきましょう。

下水道本管工事で大事なのは、管の高さです。設計値に対して、±20mm以内になるよう管の高さを決めて施工しなければなりません。

マンホールの高さは、ベース設置で決まってしまいます。そのため、ベースを設置する床の高さを測量して、シビアに施工しなければいけませんね。まぁ、高すぎるよりは低めに設置したほうが施工する上ではよいでしょう。方法は、まず控え杭から十文字に糸を張り、糸の交わっているところに下げ振りを付けます。続いて下げ振りの下にベースの中心を合わせます。この際、下げ振りの先から1cm以内に入っていればOKでしょう。

下水管敷設後に舗装復旧がある場合は、舗装を自社または協力会社のどちらで進めるのか事前に決めておく必要があります。

併せて、

  • どこまで施工するのか
  • 路盤まで仕上げて、舗装会社に施工してもらうのか
  • 粗々で仕上げて、舗装会社に路盤仕上げから施工してもらうのか

なども決めなくてはいけません。


6.後片付け


施工が終わり、重機の使用や骨材を一時退席する必要がなくなれば、資材置き場を撤去します。レンタルのトイレや物置、土地は1カ月単位で借りていると思います。忘れ物がないように、土地の持ち主から苦情がこないようにきれいに元通りにします。


以上、下水道本管敷設工事のポイントを話しました。

新設の下水道工事で大事なポイントは、布設管の高さにつきます。勾配がきちんと取れてないと、損なわれ下水道として機能しません。しかし、ミリ単位で合わせるわけではなく仕様書の範囲内に収めれば大丈夫です。管布設時の測量は必ず行うようにしましょう。

この記事を読んでいるあなたへ

「上下水道」に関する製品・工法をお探しの場合はこちら

この記事のライター
元は測量士で、今は土木の現場監督。北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。
『サガシバ』に会員登録して、匠の野帳をもっと便利に!
会員登録すると、最新記事の情報が受け取れる他、便利な使い方がたくさん!

RC.オガさんの匠の野帳をもっと見る

2022年06月29日 10:14 RC.オガさん
1 0
前回「コンクリートのひび割れ原因とひび割れの種類について」でひび割れの発生原因と種類についてご紹介しました。施工にどんなに注意を払っても、起きてしまうのがコンクリートのひび割れです。一口にひび割れと言...
1 0
2022年06月22日 10:24 RC.オガさん
2 0
特に、手を抜いたわけでもないのにコンクリート打設した構造体に、発生したひび割れを発見した時の驚きは、何度経験しても良いものではありません。ひび割れが起きる原因は大きく分けて、材料・設計・施工の3つに起...
2 0
2022年04月13日 10:09 RC.オガさん
3 2
暑中コンクリートとは土木学会示方書[施工編]および JASS5 では、日平均気温が25℃を越えることが予想される期間を暑中コンクリートの適応期間としています。生コンクリートが外気温の影響を受け、凝結時間が短くなり...
3 2
2022年02月16日 15:56 RC.オガさん
3 1
生コンクリートを打設して構造物を製作する工事では、品質を保証するために品質試験をしなければなりません。生コンクリートの品質試験生コンを受け入れる品質試験は、スランプ検査空気量測定生コンクリート温度の検...
3 1
2022年02月02日 10:13 RC.オガさん
7 5
生コン打設がメインの構造物を作る工事では1回1回の生コン打設が重要になってきます。生コンを打設するには、打設前に生コン打設計画書を作成しなくてはいけません。計画書には、人員数や打設量、現場の見取り図など...
7 5
2021年11月17日 13:31 RC.オガさん
6 2
元測量士ですが、北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向しました。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。今回はここ3年ばかり、私が携わっている下水道の維持管理業務...
6 2
2021年07月28日 09:52 RC.オガさん
4 2
前回「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その1~」で下水道本管修繕工事の流れについてご紹介しました。今回はその2として、5以降の項目についてご説明したいと思います。下水道修繕工事の流れ発注...
4 2
2021年06月16日 14:01 RC.オガさん
11 4
都市には、生活する上で欠かせないインフラ(インフラストラクチャー)があります。インフラは、道路、上下水道、電気、電話、鉄道など生活や産業など営む上で必要不可欠な社会的基盤になっています。私は、道路・上...
11 4
2021年04月28日 11:34 RC.オガさん
11 9
前回に引き続き「コンクリート工事での失敗と対策」についてお伝えしたいと思います。コンクリート工事の代表的な失敗例として、ひび割れが入るジャンカが入る天端の高さが違う試験体の強度不足打ち継ぎの失敗鉄筋か...
11 9
2021年04月21日 10:40 RC.オガさん
15 10
生コンクリート打設は、一大イベントではないでしょうか。計画から準備、そして施工と、どれをとっても疎かにはできません。実際、現場で“今日は生コンの打設”となると緊張するものです。予定通りに生コンの打設が完...
15 10
1ページ / 3ページ中
会員登録(無料)