官庁が管理する施設で経営を改善すべき施設はPFIを利用して、民間の経営上のノウハウを活用しています。これは下水道に限った事ではありませんが、下水道事業で建設された施設として、管路施設、ポンプ施設、終末処理場施設等があります。
しかし、下水道事業は決して経営状況がいいとは言い切れない状況であり、特に地方の自治体の管理する下水道施設はPFIが必須な状況ではないでしょうか。
今回は施設管理の民営化をテーマに取り上げて記載します。
公民が連携して公共サービスの提供を行うスキームをPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)といいます。PFIは、PPPの代表的な手法の一つです。PPPの中には、PFI、指定管理者制度、市場化テスト、公設民営(DBO)方式、さらに包括的民間委託、自治体業務のアウトソーシング等も含まれます。
PFIは正式名称を、Private-Finance-Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)といい、頭文字をとってPFIと呼ばれています。
PFI事業では、民間事業者の経営上のノウハウや技術的能力を活用でき、事業全体のリスク管理が効率的に行われることや、設計・建設・維持管理・運営の全部又は一部を一体的に扱うことによる事業コストの削減が期待できます。これらにより、コストの削減、質の高い公共サービスの提供が期待できます。
従来はインプット重視で建設することを注視してきた傾向があります。しかし、PFI方式を採用することで成果重視になり、計画機能のアウトソーシングによる計画の質的向上を図り、発注者はチェック機能を果たすだけになります。
上記のチェック機能は利用料金の月合計・年合計というコストのみの評価で良くなり、自治体では技術者の減少や技術者の技術能力の低下を懸念することなく、ライフサイクルで発生する潜在的コストを可視化することができ、この点がPFI/PPP事業を取り行う理由となっています。
処理施設における水処理施設、汚泥処理施設の再構築のために、PFIで複数企業から提案を受けた場合、企業のそれぞれの特色は施設再構築費、維持管理費、システム全体のコストなど多岐にわたり、企業によってそれらの価格に差異が生じます。
企業の優位性は様々なコストで差位がでるため、自治体が処理施設の管理方法をどのように進めるかを決定、複数企業にヒアリングを実施し、コストだけでなく、自治体の要望を満たすか否かも選定条件となります。
消化ガスについては、大きく以下の2通りの有効な利用用途が考えられます。
出典元:経済産業省 資源エネルギー庁 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)とは
「NEDO水素エネルギー白書」に示された水素エネルギー技術は、水素製造技術、水素貯蔵・輸送技術、水素供給・利用技術の3種類に大別されている。
出典元:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 NEDO水素エネルギー白書
PFI/PPPによる施設管理の民営化を記事にしましたが、下水道事業を経営戦略的に捉えた場合、PFI/PPPだけでなく、広域化・共同化などの検討が必要です。
原因としては、全国において、下水道施設の老朽化・技術職員の減少及び使用料の減少など様々な課題を抱えているため、従来通りの事業経営では事業執行が困難となっています。
そのため、PFIの運用も一つの手段となっていますが、唯一の手段ではありません。管理をする自治体によりPFI/PPP、広域化、共同化、ICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))の活用など、効率的な下水道事業の運営に必要な手段が異なります。
一概にこの方法で下水道事業を運営すれば、健全に経営できるとは言えません。しかし、幾つかの方策があり、管理をする自治体がどの方策であれば管理する地域にあっているかを判断する必要があり、今後はそれらの方策について記載していきます。
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