現場でのちょっとした工夫

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さて、今回のお題は「現場でのちょっとした工夫」。土木の監督稼業をやって20年の私が実践してる工夫や現場における心がけをご紹介しましょう。


時間は有効に



お金持ちもビンボーも時間を持て余している人も身体がいくつあっても足りない人でも、みんな平等に与えられているのが時間です。一日は、24時間。都合よく時間を増やすことも減らすことも出来ません。暇な時間を貯金して忙しい時に使えたらな~と、まるでアニメの「笑ゥせぇるすまん」にあったようなことをボーっと考えたことありませんか。私は、あります。1か月、3か月、6か月などなど現場に与えられた工期は様々ですが時間を有効活用しないと工期ギリギリになって竣工書類を作る時間が無くなって焦ることはないですか?

そう、まだまだ始まったばかりとノンビリ構えていると後で手痛いしっぺ返しにあうこともあるので要注意しましょう。特に、工事金額が少なく職員は現場監督の自分だけ、1人で全てやらなくてはいけない現場こそ時間を有効に使わなくてはいけません。

まぁ、所長などと営業マンからはおだてられますが現場監督のやるべき仕事は種々雑多で何でもかんでもこなさなくてはいけません。役所の監督との打ち合わせ、資材の発注、工程管理や作業員の管理、お金の管理から事務所の掃除、付近住民対応、、、、。様々な仕事を一身にこなさなくてはいけません。助手がいれば、どれほど楽か、思わぬ現場代理人は数多くいることでしょう。しかし、工事の規模から自分一人で現場監督として切り盛りしなくてはいけない方は、大勢いることでしょう。

これからの話は、私が長年の監督稼業で先輩や同僚から伝授したり教わったことで、実に当たり前のことです。常日頃から行っておけば時間の節約になることです。


現場でできることは現場でやってしまう


1.安全関係の書類


ここからは、具体的に話しましょう。現場で出来ることは安全関係でしょう。新規入場者アンケート・点検表、KY、安全日誌など作業員が、少ないからと言って日々つけておかないと書類提出時に焦ることになります。工期間際になって、そんなものに時間を割くよりももっと大事な品質管理や写真帳、出来形管理の書類に時間をかけましょう。きちんと点検表、KY、安全日誌あれば、工事の検定官にちゃんとやっている印象を与えられます。現場で、毎日つければ後で事務所で作業しなくても済むものです。


2.写真整理


現場管理の書類は、写真帳でまとめ提出します。現場で撮ってきた写真は毎日、数十枚に及ぶことでしょう。その日の写真は、その日のうちにパソコンに取り込んでしまいたいものです。デジカメの操作を誤って一枚の写真ファイルのみ削除するつもりが全部削除してしまう、、、なんて悲劇的なことが起こらないとは限りません。出来るだけ、写真データーはその日のうちにパソコンに取り込んでおく習慣をつけておきましょう。また、写真データのバックアップは取っておくのが賢明でしょうね。

私の場合は、作業内容や場所と日付をフォルダ名にして保存します。たいていは写真編集ソフト、例えば現場編集長やデキパートそして蔵衛門など使って写真帳を作っていると思います。時間があればソフトの写真箱に整理しておくのがベストです。しかし、毎日やるには大変かもしれませんが写真箱への整理は2~3日おきにやっておかないと後で大変なことになってしまいます。

工事写真帳の比重は、竣工書類の約50%を占めるのでないかと私は思っています。つまり、写真帳が出来上がれば50%は竣工書類が終わっていると思って過言ではありません。


3.伝票整理

現在は、伝票を整理して提出する義務はなくなりました。しかし、数量の管理はしなくてはいけません。コピー用紙に伝票を張る手間が減っただけで集計することは以前となんら変わりません。アスガラやコンガラなどの産廃関係や合材や生コン、コンクリート製品など日々整理して数量を把握しておけば書類整理もかなり速く進むことでしょう。

以上、私が監督稼業でやっていることです。これから現場監督デビューされる方の参考になればうれしいです。

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この記事のライター
元は測量士で、今は土木の現場監督。北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。
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