冬でも快適な都市機能を損なわないよう日夜奮闘しているのは地元の除雪業者。12月1日から3月20日までは除雪シーズンです。基準を超える降雪があれば、除雪のため市民生活に支障が少ない夜間に出動し、快適な交通環境を維持できるようにしています。
2019~2020年シーズンは40数年ぶりの記録的な小雪で、除雪を生業としている業者からは悲鳴に近いような叫びもありました。例年ある、クリスマス寒波や年末の大雪、それに成人式の荒天も今年はなぜかなく、周期的に温暖になるなど、積もった雪も消えてしまうほどでした。そのため、札幌市内のスキー場はコースの雪もままならず、正月が終わった頃ようやくオープンとなったほどでした。1月中旬になっても10㎝程の積雪しかなく、雪の少なさに驚きました。
札幌に住む人間なら、街に雪がなく、山(スキー場)にのみ雪が降るような冬を夢見る人も多いハズ。真冬の1月半ばで積雪10㎝は、まさしくそんな状況です。マイナス10℃以下の最低気温の日もあったため、全くの暖冬ではありませんでしたが、周期的に寒気と暖気がくる冬でした。
真冬の札幌で開催されるさっぽろ雪まつりは、市内近郊から自衛隊が雪をトラックで輸送して雪像が作られます。今年は札幌近郊も小雪だったため、例年の倍近くも遠いところから運搬されました。冬の札幌の一大イベントなので開催中止なんて出来ません。200万人以上もの観光客が訪れるので、ただでさえ経済が滞る時期のカンフル剤のようなイベントなのです。(結果的には北海道でコロナウイルスの感染拡大の一因になったのですが・・・)
雪まつりは、「大通会場」と「つどーむ会場」の2会場で開催しています。大きな滑り台などのアトラクションがある「つどーむ会場」は、全長100mの滑り台が30m縮小され、ようやく開催されました。長く続いている雪まつりの歴史で規模が縮小されたことは記憶にありません。それほど雪が降らなかったのですね。
しかし、心の奥底では「いつか帳尻合わせの大雪が来る」と、札幌に長く住んでいる人はきっと思っていたと思います。
―このまま、小雪のままで終わるかも―
“除雪費は60%保証される“なんて話が浮上した1月下旬頃に、とうとう帳尻合わせのドカ雪が降りました。一晩で30㎝近くもの雪が降る、近年にはないほどの大雪。
その後はずんずんと降雪があり、気が付けば例年並みの積雪量に到達していました。それでも出だしの雪の量が極端に少なかったため、暖冬の積雪量の約80%に達する程度かと思っていましたが、最終的には例年の98%まで到達したようです。
除雪は出来高払いが基本のため、降雪量に左右されます。例えば、除雪業務の請負金額が1000万円と仮定すると、積雪量が少なく60%の実績しかできなかったのであれば、600万円が受け取り金額となります。
また、80%の実績であれば800万円ですが、90%以上の実績であれば100%の金額を受け取ることができます。もちろん積雪量が多く100%以上になれば設計変更で増額分が受け取れます。(超過が何パーセント以上になれば増額になるかは、残念ながら私にはわかりません。)
除雪工事の設計に対する実績によって受け取り金額が変わってくるため、大雪ではなく、ほどほどの積雪量で100%の実績を積みたいと社長さんたちは思っていることは間違いありません。
暖冬で小雪の年は4~5年おきにあります。そんな小雪の年は80%しかお金が入ってきません。2019-2020シーズンは、80%を下回る60%になるかもしれないと恐れていましたが、逆転満塁ホームランのようなドカ雪があってなんとか例年通りになりました。
胸をなでおろした社長さんも多いと思います。
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