最新技術に関して ~写真管理~

  • LINE

前の記事   次の記事


今回のテーマは建設業界の最新技術、とくに現場監督に求められ写真管理について語ろうと思います。


フィルムカメラからデジタルカメラへ



私が、土木業界に転職したころは、まだフィルムカメラ全盛でした。現場で撮影した写真は、フイルムなので町の写真屋さんが回収にきて2~3日後に現像が仕上がって、やっと映り具合がわかるものでした。現在のように、写真撮影をしたその場で、映り具合がすぐに確認できるなんて夢のようなことでした。まぁ、これが約20年前の2000年頃のことです。それから3~4年後から徐々にデジカメが普及してきてフィルムカメラを駆逐していったのです。2007~2008年頃には、フィルムカメラからデジカメへほぼ主力が移ってしまったのではないでしょうか。


フィルムカメラの頃はフィルムがもったいないので無駄な写真は撮らないように、シャッターを切っていました。現場でフイルムが切れてしまうと撮影できなくなるので、ポケットに予備のフイルムを入れていたものでした。また、カメラの電池も切れると撮影できなくなるので予備の電池もカバンに必ず入れていましたね。デジカメなら、満充電で数百枚程度なら電池が切れるまで撮影が可能です。

フイルムカメラからデジカメに移行して、一番良かったことはたくさん写真が撮れるところでしょう。フイルムカメラを経験しているので、たくさん撮影できるのはとても便利に感じられます。


工事写真帳



次に工事写真帳の話をします。アナログ時代は現像されてきた写真を1ページに3枚入れて行くものや緑色の表紙のフエルアルバムに張り付け、写真タイトルなどをシールに印刷して貼り付けていたものでした。デジカメが普及すると工事写真帳は写真専用ソフトで整理するようになりました。「現場編集長」や「写管屋」など有名な写真管理ソフトもあれば、エクセルなどを利用して工事写真帳を制作する人もいますね。


エクセルで工事写真帳の帳票をつくりそれに写真を張り付ける方法は、ソフトを購入するお金が必要がないのが良いところです。数ページで終わるような写真帳なら、それほど面倒ではなく、むしろ使いやすい時もあります。しかし、数10ページから数百枚にわたる写真帳では、よほど高性能なパソコンでない限りメモリー不足が生じてしまい、せっかく制作したエクセルの写真帳がパソコンが固まってしまうことで闇の彼方へ旅立ってしまうこともあります。

枚数の多い工事写真帳は、工事写真帳専門のソフトで作るのが得策ですね。専門ソフトなので、パソコンが固まってしまったりすることなく幾らでも工事アルバムが作れるのは、値千金です。また、工事によっては2000~3000枚それ以上も写真を整理して管理しなくてはいけません。写真の仕分けは、写真ソフトなしで仕分けするのはかなり難しいですね。


専用タブレットの出現



写真専門ソフトで、工事写真帳を作るようになって15年以上になりますが、ここにきて新たな技術が現れました。それは、専用タブレットの出現です。今までは、現場で黒板に測点や工種そして写真タイトルを記入して写真に黒板が写りこむように撮影していました。専用タブレットには、黒板が不要になったのです。まさに、革新的な技術ですが、

デジカメで撮影後に黒板が映りこむように設定されています。まぁ、撮影前にタブレットに黒板の内容を入力しなければならないので、タブレットのタッチパネルで入力が、うまく行かないわたしにはいささか不安です。この建設業界専用のタブレットは、2018年頃から出始めたらしく現場で使用するのを見たのは、まだ1・2回くらいです。

実は、タッチパネルが馴染めなく携帯はいまだにガラケーの私。将来的には、専用タブレットで工事を撮影となるのでしょう。そのころは、現役引退しているのか、まだアルバイトで現場監督しているのか定かではありませんが、まだ40代や50代そこそこの現場監督たちは、新たに専用タブレットを覚えなくてはいけませんね。

専用タブレットが普及すると、フィルムカメラから続いてきた黒板が要らなくなる技術革新となります。雨降りの日に黒板に書いた文字が流れたり、風で黒板が倒れて苦労したりすることは無用になり、昔の笑い話になってしまうのでしょうね。

技術革新の波に乗り遅れてはいけない現場監督は、常に最先端を目指すことは必要ありませんが真ん中あたりで、技術を維持していないと遅れていることになってしまってはいけませんね。

【この記事を読んでいるあなたへ】

「ソフトウェア・サービス」に関する製品・システムをお探しの場合はこちら

※本文内にある一部のキーワードをクリックすると、該当する製品・技術情報にアクセスできます。

この記事のライター
元は測量士で、今は土木の現場監督。北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。
『サガシバ』に会員登録して、匠の野帳をもっと便利に!
会員登録すると、最新記事の情報が受け取れる他、便利な使い方がたくさん!

RC.オガさんの匠の野帳をもっと見る

2022年06月29日 01:14 RC.オガさん
1 0
前回「コンクリートのひび割れ原因とひび割れの種類について」でひび割れの発生原因と種類についてご紹介しました。施工にどんなに注意を払っても、起きてしまうのがコンクリートのひび割れです。一口にひび割れと言...
1 0
2022年06月22日 01:24 RC.オガさん
2 0
特に、手を抜いたわけでもないのにコンクリート打設した構造体に、発生したひび割れを発見した時の驚きは、何度経験しても良いものではありません。ひび割れが起きる原因は大きく分けて、材料・設計・施工の3つに起...
2 0
2022年04月13日 01:09 RC.オガさん
3 2
暑中コンクリートとは土木学会示方書[施工編]および JASS5 では、日平均気温が25℃を越えることが予想される期間を暑中コンクリートの適応期間としています。生コンクリートが外気温の影響を受け、凝結時間が短くなり...
3 2
2022年02月16日 06:56 RC.オガさん
3 1
生コンクリートを打設して構造物を製作する工事では、品質を保証するために品質試験をしなければなりません。生コンクリートの品質試験生コンを受け入れる品質試験は、スランプ検査空気量測定生コンクリート温度の検...
3 1
2022年02月02日 01:13 RC.オガさん
7 5
生コン打設がメインの構造物を作る工事では1回1回の生コン打設が重要になってきます。生コンを打設するには、打設前に生コン打設計画書を作成しなくてはいけません。計画書には、人員数や打設量、現場の見取り図など...
7 5
2021年11月17日 04:31 RC.オガさん
6 2
元測量士ですが、北海道南西沖地震をきっかけに施工の現場管理へ転向しました。現在は、市民生活に欠かせないインフラの下水道工事を主に行っています。今回はここ3年ばかり、私が携わっている下水道の維持管理業務...
6 2
2021年09月01日 01:38 RC.オガさん
6 5
前回は2回に分けて下水道の維持管理についてご紹介しました。「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その1~」はこちら「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その2~」はこちら今回は、下...
6 5
2021年07月28日 00:52 RC.オガさん
4 2
前回「下水道の維持管理(下水道本管修繕工事の流れ)~その1~」で下水道本管修繕工事の流れについてご紹介しました。今回はその2として、5以降の項目についてご説明したいと思います。下水道修繕工事の流れ発注...
4 2
2021年06月16日 05:01 RC.オガさん
11 4
都市には、生活する上で欠かせないインフラ(インフラストラクチャー)があります。インフラは、道路、上下水道、電気、電話、鉄道など生活や産業など営む上で必要不可欠な社会的基盤になっています。私は、道路・上...
11 4
2021年04月28日 02:34 RC.オガさん
11 9
前回に引き続き「コンクリート工事での失敗と対策」についてお伝えしたいと思います。コンクリート工事の代表的な失敗例として、ひび割れが入るジャンカが入る天端の高さが違う試験体の強度不足打ち継ぎの失敗鉄筋か...
11 9
1ページ / 3ページ中
会員登録(無料)