インフラ維持管理の未来に。点群データで構造物を3D化!データ共有の新時代

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連載第2回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「騒音振動測定をクラウド管理!DKの常時遠隔監視装置とは?」を掲載いたしました。

■前回の記事はこちら



今回ご紹介するのは、図面の無い既設構造物を点群データから3Dモデリングする新技術です。

土木管理総合試験所のパートナー企業である株式会社アイ・エス・ピーが開発・販売する「LandForms」は、3Dデータを利用した土木及び測量向け設計支援システムです。

これまで再現が難しかった点群データからの橋梁やトンネル、交通施設等の既設構造物を、点群データからよりリアルな3次元モデリングにすることを実現しました。コンクリートの浮きや劣化などの経年変化の差異解析、ひび割れや変状情報などを3次元モデルに様々な情報のインプットが可能となります。3Dモデルが共有資産となり、インフラ維持管理に役立てられるような未来を感じていただけるかと思います。

ここからは株式会社アイ・エス・ピーの波場社長にCSPI EXPO2022展示会での様子を伺いました。

   

「できるんだね!」と驚かれた


点群データを3Dモデリングした作例の一部。全てTINデータの三角網が組まれています。


展示会でご紹介しました「点群データを使った既設構造物の3次元モデリング技術」は、昨今のCIMが普及し始めている中で、少し異質な取り組みでした。

それでも官庁関係の方々をはじめ大手ゼネコン様やコンサルタント会社様、レーザースキャナーの各メーカー様など幅広い業界の方々にお立ち寄りいただきました。

皆さん口々に新しい技術を探しに来たとおっしゃっていたのがとても印象的でもありました。


新設構造物のCIMによる3D化が普及する一方、既設構造物は2Dのままか?



新設構造物がCIMにより3次元化が普及する一方で、既設構造物は2次元のままでよいのかと考えておりました。

新設構造物など図面があれば3Dモデル化はかなり浸透してきた技術と捉えております。

それとは逆に図面が無い既設構造物のモデル化の場合はどうでしょうか?

例えば、昭和初期や高度成長期に作った古い構造物はほとんど図面が残っていないこともあります。また、橋梁で70万橋、トンネルで1万箇所がいまだインフラとして使用されており、図面が無い場合は現地で計測することが必要となります。人手もかかれば足場や点検車など調査費用も負担が大きく、決して安いものではないと思います。

既設構造物の3次元モデリングは、インフラ維持補修の面で必ず必要とされる技術であると予想しています。


点を選んで結ぶだけ




この技術は、現地で計測した点群データから構造物のコーナー部やエッジのある端点を選択します。あとは選択した点同士を線で結ぶだけのシンプルな手法です。

特殊な知識も難しい技術も不要ですし、誰でも簡単にモデル作りを行うことができます。

曲線部も細かく再現できます。橋梁をはじめ砂防ダム、ボックスカルバート、樋門・水門など、コンクリート構造物から鋼製構造物のような複雑な構造物でも3Dモデリングをすることが可能となりました。

点群データは短時間で橋台橋脚や短い橋等などであれば1時間程度でデータは取れてしまいます。しかも、色情報や座標データが一緒に入手できるため3次元化にはうってつけです。あとは点群データからのモデル化だけです。


社会インフラは上・下部工だけにとどまらない


図面の無い設備、建築物への応用ができ、ダムや上下水道処理施設の傾きや変状、工場の配置計画の見直しなどに活用できます。




「ISPさんのソフトなら何とかしてくれる」が嬉しい


お客様からは、「ISPさんのソフトなら何とかしてくれる」とか「困ったときはLandFormsを使えばできる」と仰って頂いたときは本当に嬉しかったですね。

「LandForms」はニッチな機能も多く、様々な機能が大きな特長といえると思います。長い方は非常に長くご愛用頂いており、転職されても次の会社で無ければ導入していただくこともあります。


少しでも長くインフラの耐用年数を伸ばしたい


世の中のインフラ構造物の老朽化は待ってはくれません。私たちの暮らしや生活を維持し、そして守るためには、少しでも長くインフラの耐用年数を伸ばしてあげることに尽きると思います。

既設構造物の3次元化は、今まで点群データからモデル化が出来なかったと思えば、大きな前進です。人手不足や予算の縮小など問題も山積しておりますが、身近なところから確実に省力化、自動化に向けた技術革新を進めていけたらと考えております。

どうすれば効率が上がるのか、どうすれば簡単になるのか、社会のために少しでもお役に立てる企業でありたいと、社員一同、共に成長を続けていけたらと考えております。


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 業務案内ページ「DKnote」まで▶ https://service.dksiken.co.jp/

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