土木業においてCADの利用は2次元の設計だけでなく、3Dモデルの作成にも活用されています。3DCADモデルの作成業務にはいくつか種類があります。
そうした業務の中で失敗談はつきもの…
今回は3Dモデル作成時の失敗談を紹介していきます。
橋梁の架け替えや新設する際の工事で、3DCADモデルで上部工と下部工のみの作成を依頼された時の実例です。
モデルがほぼ完成し、納品間近になった時に発注者から「施工ステップモデルの作成もお願いできますか?」と言われました。少し見積りを追加すればできそうだと思われますが、モデルの作成方法が異なるためそうもいきません。
施工ステップモデルを作成するにあたり、工事に必要な重機や足場などのモデルを新たに作成する必要があるため、余分に工数がかかる上、最悪だと1から作り直さなければなりません。
ちなみに、
といった依頼をされた場合にも、同じような失敗が考えられます。
当たり前のようですが、私が大切だと感じたことですね。特に、②は上部工であれば「鏡面」、「高欄」、「主桁」の部分などを分けて作成しておくだけでも、施工ステップモデルを作成する際に楽になります。
その際、CADのレイヤを分けたり、上部工だけで一つのオブジェクトにしないことが大切です。
施工ステップモデルを作成するにあたり、発注者から「工法の違いをひと目でわかるように色を変えて欲しい」と言われることがあります。その際には赤などの目立つ色にするのですが、「もう少しマゼンタっぽく」、「やっぱりイエローで」など、イメージの擦り合わせに時間がかかることが多いです。いっそのこと「この色で!」と言ってもらえると良いのですが、そうもいかず…結局、発注者側と3Dモデル作成側で、3Dモデルを見るためのソフトの表示設定が違ったということがありました。初めてやり取りをする相手とはよくある失敗談です。
発注者との擦り合わせによる失敗は、CADで3Dモデルを作成する時だけでなく、発注者や住民説明のためのプレゼン資料を作成する際にもあると思います。自分のイメージと相手のイメージに齟齬が無いよう気を使うことが大切です。
CADで3Dモデルを作成した際の失敗談を実例と共に紹介しました。
大変なことも多いですが、色々と要望をクリアした後にお褒めの言葉をいただくこともあります。「3Dモデルにしてとても分かりやすくなった」、「住民説明に重宝した」と、とても好評。苦労したかいがあり、ホッとする一方で質の高い詳細なモデルを作り過ぎてしまうと「次回もこのクオリティのモデルを下さい!」と言われることも…
その際には「人工と見積りの兼ね合いを失敗した」と失敗談にならないように今後も努めたいですね。
【ソフトやオプション設定により見え方が違う例】
1枚目:オートデスクドライブ
2枚目:オートデスク社のNavisworks
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