今回は土木コンサルタントの仕事の内容について実例等を挙げていくつか紹介したいと思います。
ゼネコンを始めとしたクライアントをサポートしたり、建設会社と国や地方自治体といった発注者と連携を取っていくのが土木コンサルタントの仕事です。
土木・建設のプロジェクトにおいて企画から立案・調査・計画、そして設計・施工管理まで一連の業務に加え、施工後の維持・点検管理も視野に入れて考える、幅広い仕事と言えるでしょう。現地での調査と発注者と設計の折り合いを付けつつも提案をし、インフラを長く安全に使えるように努める業務も担います。
インフラの道路、鉄道、港、河川、上下水道、ダム、橋梁に関する業務のうち、具体的な仕事内容について実例を3つ挙げて紹介します。
道路の土木コンサルタント業務の対象は、国道・一般道路や高速道路等の案件が多く、地下駐車場から歩道・自転車道路に関わるまで多岐に渡ります。調査・分析の段階では、車や人の交通量を調べてスムーズに車が流れるよう分析を行い、渋滞を防止するためシミュレーションも行います。
事故が多い交差点については現況の調査をし、軌跡図や3Dで走行シミュレーションを描くことで「どうしたら事故を防げるか」を計画することもあります。また、道路の拡幅やゼブラゾーンを追加することで、車の減速を促す改善提案もします。
新規の橋梁を設計する際は、アーチなどの特殊な形状だと景観を大きく左右するため、橋梁と周辺地形を3Dモデル化します。3Dモデル化することで、住民や関係者協議での説明に役立ち、施工時に「干渉していた」という問題も回避させることができます。
橋梁の床版の老朽化による架け替えや、交通量の増加による架け替えもコンサルタント業務の一つです。川の上での施工となれば、水位を考慮した時間ごとの作業や、重機の経路を取り決めておかなければならないため、長期的な施工計画が必要となります。
他にも耐震補強の調査・計画があります。橋梁の下部工に鋼板を巻いて変形性能を高める補強をするか、主桁が地震時の揺れで落ちることの無いようケーブルで連結したり、せん断ストッパーを設置したりするか…
適切な処置を調査する業務もあります。
集中豪雨による浸水被害の影響もあり、上下水道のコンサルタント業務も増えました。集積する地域の施設整備のための計画では、どれくらいの集中豪雨に耐えられるかといったシミュレーション作業も行います。
また、配管や水処理施設の老朽化による建て替え、調査と設計、都市計画における水道の設計業務もあります。既存施設の建て替えの際には3Dモデル化をして、施工シミュレーションを綿密に行うことで上下水道が滞ることの無いよう施工を進めます。
土木コンサルタントの仕事はクライアントの要望を把握しつつも、スムーズな施工・計画のために調査を重ねることが主な業務ですが、その内容は多岐に渡ります。
対象となるインフラによって業務も異なりますが、要望に合った設計・スムーズな施工のための計画・インフラの長寿命化と再建のための設計施工などは共通する業務の一つであると言えるでしょう。また、最近では3Dモデルを作成することで施工シミュレーションや景観の確認等をすることも増え、集中豪雨などの災害に合わせてニーズも変化していくのにも注目していただきたいです。様々な土木コンサルタントの業務があるので興味を持って頂けたら幸いです。
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