設計者にとって風通しの良さを意識すると現場や発注者に対してどういったメリットがあると思いますか?
「なんとなく、雰囲気が良くなる」と思いつくかもしれませんが、具体的なメリットはイマイチ分からないかもしれませんね。そこで、風通しが良くなった場合のメリットを実例や、どうすれば風通しが良くなるかも紹介していきましょう。
現場と設計の風通しが良いと、お互いに余計な時間を使わなくて済むというメリットがあります。「後手に回ることが無くなる」と言えばいいでしょうか。例えば、現場から「この設計図面の通りに施工すると、干渉して問題がある」と連絡があったとします。修正した図面を現場に返した際に「その箇所だけ直しても…」と完成がズルズルと延びてしまうことも少なくありません。
そのため、言われたことだけでなく、他にどういった修正が出てくるのかも併せて考える必要があります。その際、現場と設計の風通しが良いと「その箇所だけでなく、もう一枚の図面にも影響がありそうですか?」と、あらかじめ聞きやすくなるでしょう。
風通しが良くないと、現場は「図面の修正を1か所伝えれば全部直してくれるはず」と思い、設計は「言われた所だけ直せばいいはず」と思う…そんな関係性を私はよく見てきました。ちょっとした気遣いがあればいいのですが、そこまで踏み込まずにいる=風通しが良くない関係となるようです。一回だけの関係性でも、風通し良くスムーズなやり取りのできる方がいいですから、どうすれば改善できるか考えてみましょう。
現場と設計だと電話での打合せも多いので、まずは「最近は忙しいですか?問題はありませんか?」と相手にひとこと掛けてみるのがおすすめです。何回か会話をした関係であるなら、「何か困ったことはありませんか?」と声を掛ける、つまり気遣いある言葉を掛けるのです。この心掛け一つで、現場は設計に対して「この人は話しやすいし、気遣ってくれるな」と思ってもらえて風通しが良くなる…簡単なことかもしれませんが、試して欲しい方法です。
また、顔を合わせる機会があれば積極的に会ってみる方がおすすめです。やはり、顔も知らない人よりも、直接挨拶を交わした仲の方が話はしやすくなるものなので、時間を作ってみるのが良いでしょう。
現場や設計にとって、発注者との関係は長く続くことが多いものです。そのため、頻繁に顔を合わせるのは難しいですよね。電話を掛けるのも「忙しい時にわざわざ電話するのも…」と思ってしまいます。
なので、長い付き合いを前提とした発注者との意思疎通で大切なのは「日々の行い」です。「あの人に頼めばすぐに対応してくれる」「時間がかかる時はあらかじめ申し出てくれるし、その分しっかりした答えをくれる」といった信頼が大切です。“なんでも屋になれ”と言うわけではなく、“期待に応えられる存在になる”ことで信頼関係を築き、風通しを良くすることができるでしょう。
風通しの良いコミュニケーションが取れるようになった場合のメリットを具体的に紹介します。例えば発注者から道路の施工における施工計画を頼まれた際には、工期の分け方だけでなく重機の種類や搬入経路、安全管理など細かなことも決めなければなりません。その場合、風通しが良いと発注者に質問しやすく、これまでの付き合いから「あの発注者さんなら搬入経路を設計側に一任してくれる」と判断できるようにもなります。そうすることで、施工計画をスムーズに進められて、さらに信頼を得ることができ、次の仕事にもつながっていくことでしょう。
設計者にとって現場や発注者との風通しが良くなると、後手に回ることが無くなったり、業務がスムーズに進むようになったりとメリットが大きいことが伝わったと思います。また、日ごろから簡単な挨拶や気遣いをするだけで状況を変えることができるのもポイントです。設計者の方は、現場や発注者との風通しの良さを改善できるよう、明日からでも務めてみてはどうでしょうか?
この記事を読んでいるあなたへ ※本文内にある一部のキーワードをクリックすると、該当する製品・技術情報にアクセスできます。 |