建設プロジェクトにおける設計業務では多くの検討項目があります。主に「設計条件の整理」、「設計検討」、「設計成果物の作成」に分かれます。一般的には依頼者が「設計条件の整理」まで対応し、その後の検討は協力会社に依頼するケースが多いと思います。この時、自社と協力会社で分担する検討の選定を正しく実施しないと、工程遅延や品質低下のリスクが生じます。
協力会社に依頼する検討項目は以下のような項目とすることをお勧めします。あくまで、技術的な課題は自分自身で解決していくというマインドを忘れずに役割分担を考えましょう。協力会社に一任して細かいルールをコントロールできないと、手戻りと設計の瑕疵につながる恐れがあります。
協力会社の選定は、設計計画を思い通りにするために重要な検討になります。設計者がどんなに素晴らしい設計計画、検討手法を考えたとしても、それを理解・遵守して検討してもらえなければ意味がありません。したがって、協力会社の技術レベルを確認した上での選定が重要になります。
協力会社の選定にあたっては、以下のことに気をつけましょう。また、協力会社の事後評価を率直に残すことが重要になります。次回の協力会社選定時に活かせる形で残しましょう。
設計業務を依頼する際、どんなことを依頼するか伝える必要があります。こういう時のために、自分なりの設計仕様書を持っておくとよいです。依頼する際の情報に抜けがないか確認ができます。依頼する業務によりますが、以下のような内容が書かれていればよいです。
この設計仕様書の質が、その後の外注作業の質になります。経験上、業務経験者でないと質の高いものを作成できないと考えています。
協力会社との契約にあたって、契約の対象となる検討項目および設計成果物を決めて契約します。前述した設計仕様書を元に打ち合わせを行い、契約内容を決定します。契約内容と設計仕様書に不整合がないか、自分が依頼したいことを網羅されているかよく確認しましょう。大体の流れは以下の通りになります。
協力会社の見積は、検討項目ごとに単価を設定します。例えば、構造設計1断面○○円、図面作成1枚○○円ということを決めます。一般的な形状の設計については、既往の検討で支払っている単価設定を見て査定が可能ですが、特殊部の設計については判断が難しいです。
想定する工程を協力会社と相談して、積み上げている人工が妥当であるか確認しましょう。契約後に増額・減額は可能ですが、減額に応じてくれるのは検討依頼を中断した場合ぐらいなので、協力会社の言いなりにならないよう慎重に契約を進めましょう。
協力会社の方は、検討条件の変更で断面が追加というような事情がないと契約金額の変更は難しいので、断面単価が妥当であるかどうかの確認と事前の相談は十分にしておきましょう。
納工期の設定は、一方的に決めないようにしましょう。両者が納得した納工期にしないと、協力会社がそこまでに完了してくれることは少ないです。また、最終の納期だけでなく、段階をおいたマイルストーンを設定するようにしましょう。
設計仕様書の項目にも記載しておりますが、大体1週間~2週間ぐらいで検討状況が確認できるように設定しましょう。方針の行き違いなどによる手戻りは、契約費用の増額と納工期の延伸につながります。
協力会社と仕事を進めるポイントを紹介しました。上記の通り、依頼するまでに依頼者が考えることは多いです。この段取りを怠ると結局自分が苦労するということを何度も経験しております。是非参考にしてください。
与えられた設計プロジェクトを遅滞なく正確に進めるためにも、リーダーシップを持って協力会社に依頼できるようにしましょう。
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