試験調査会社が開発した自動試料分取装置とは?

  • LINE

前の記事   次の記事

連載第5回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「堤防開削調査とは?」を掲載いたしました。

■前回の記事はこちら



「機械にやらせればいいじゃん!」と言われたのがキッカケ!


人に代わり土質試験の前処理をするロボットの開発に至った経緯や開発中の苦労、今後の展望とは?


 自動試料分取装置とは?

土質試験で使用する試料は、1現場あたりで土のう5、6袋が宅配便で届きます。

土質試験の前処理として、各試験に必要な分量に取り分け、試験規定範囲外の礫を取り除く作業を手作業で行います。これは体力的負担が非常に大きいので取り入れました。

 自動試料開発に至った経緯は?

開発を考え始めたのが2016年になります。その頃は会社の成長過程で試料の入荷が増え始めましたが人手不足の状態でした。省くことができない手作業の業務は体力的負担が非常に大きいため、人材に負担をかけ潰しかねないという懸念がありました。

その時に機械になんとかできることはないだろうか、そうすれば体力的に不安を抱えている人も作業できるのではないかと考えたのがきっかけです。

 開発の流れは?

ご協力いただける設計会社を探すのに大体半年ぐらいかけたと思います。

実際に業者さんに足を運び擦り合わせし、構想やプランを挙げていただくのに半年。図面を書いてもらって徐々に作り上げていくのにさらに1年ぐらいかけました。

試験センターに入れたのは2019年の1月ですが、そこからすぐに使用できるわけではなく、実務に取り入れながら改善をしています。問題ないという状態になるには、そこからさらに1年ぐらいかかりました。


自然物を機械で扱うのは難しい



 開発中に苦労したところ

試験によって必要な土の分量はそれぞれ違いますが、それを取り分ける方法は文献で決まっています。それをどうやって機械にさせるかをこだわりました。

石を取り分ける時はふるいにかけますが、土によってうまくふるい目を通るものもあれば通らないものもあります。さらさらしたものは通りやすいですが、粘土はダマになり通りません。あとは水分量によってもくっついてしまいふるい目を通りません。そこが非常に大変な部分です。

 自動試料分取装置の導入後はどのような変化がありましたか?

ふるい分けの業務は、これまで体力的に男性が行っていましたが、現在は機械オペレーターを女性がメインになって動かしています。それだけでも重労働が極端に無くなりました。また機械が動いている間にオペレーターはほかの作業を行っています。1試料動かしている間にもう1試料分の仕事もやっているような形で効率が非常に良くなっています。

 今後の展望は?

今ではいろいろな土に対応できるようになっていますが、一部まだ対応できていません。機械をさらに改良して、ほとんどの土に対応できるようなものに仕上げていきたいです。すべての種類の試料に対応してフル稼働しているような機械にしたいです。


  技術者へのご相談・お問合せはこちらまで


 業務案内ページ「DKnote」まで▶ https://service.dksiken.co.jp/

    YouTube動画▶ ロボットが土質試験?マジでこんなロボ作っちゃった!! 土質試料自動分取装置のご紹介

この記事のライター
サガシバ編集部です!
時期に応じた特集や製品に関する記事、イベントの案内や対談形式のインタビューなどを
掲載しています。お知らせやお得な情報も発信していきますので、ぜひ記事のチェック&
フォローをお願いします。
『サガシバ』に会員登録して、匠の野帳をもっと便利に!
会員登録すると、最新記事の情報が受け取れる他、便利な使い方がたくさん!

サガシバ編集部さんの匠の野帳をもっと見る

2024年09月25日 10:36 サガシバ編集部さん
0 0
株式会社MCデータプラスが提供する「建設サイト早払い」は、建設業界向けの請求書買取サービスとして注目を集めています。2024年7月末時点で登録企業数が2,000社を突破し、多くの企業に利用されています。本記事で...
0 0
2024年08月21日 09:29 サガシバ編集部さん
0 0
2024年9月1日に開催される「ふれるぼうさいフェス」に、西尾レントオール株式会社が特別協賛として参加し、防災に関する体験型ブースを出展します。このイベントは、多彩なプログラムを通じて防災意識を高め、実践的...
0 0
2024年07月24日 09:42 サガシバ編集部さん
0 0
2024年4月21日、基礎地盤コンサルタンツ株式会社主催のイベント「そこが知りたい!地形・地質と土木技術ー治水の歴史から学ぶ河川防災ー」が開催されました。22名の大学生が参加し、利根川水系を舞台に治水技術や土...
0 0
2024年06月19日 12:56 サガシバ編集部さん
0 0
株式会社CONOCが実施した調査により、2024年4月に施行された時間外労働の上限規制に対する建設業界の対応状況が明らかになりました。本記事では、業務管理システムの導入状況やその理由、未導入の理由について詳しく...
0 0
2024年05月23日 10:19 サガシバ編集部さん
0 0
株式会社ユニックが開発した電動ラジコン草刈りロボット「ユニモワーズ」が、2024年5月から11月にかけて九州大学伊都キャンパス農学部附属農場で実証実験を行います。この実験は、急傾斜地などの草刈りが困難な場所...
0 0
2024年04月24日 09:19 サガシバ編集部さん
0 0
株式会社FLIGHTSが国土交通省 東北地方整備局からICTサポーター認定を受けました。この認定により、株式会社FLIGHTSはドローンを活用した3次元計測技術や施設・構造物の点検支援を強化し、地域の建設現場の生産性向...
0 0
2023年10月25日 01:32 サガシバ編集部さん
1 0
連載第15回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「堤体内に高い蓄積性を有するPFOS/PFOAとは?」を掲載いたしました。■前回の記事はこちら建設業では人手不足からくる属人化した働き方を改善させ...
1 0
2023年08月23日 00:19 サガシバ編集部さん
1 0
連載第14回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「堤防とは?築堤について試験調査をご紹介!」を掲載いたしました。■前回の記事はこちらPFASを含む泡消火剤が軍事施設などで漏出した場合、その付...
1 0
2023年07月19日 00:30 サガシバ編集部さん
1 0
連載第13回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「堤防とは?築堤について試験調査をご紹介!」を掲載いたしました。■前回の記事はこちら平成7年12月22日に「建築物の耐震改修の促進に関する法律...
1 0
2023年06月21日 00:20 サガシバ編集部さん
1 0
連載第12回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「2023年度BIM/CIM適用に伴う出来ばえ評価資料作成とは?」を掲載いたしました。■前回の記事はこちら堤防とは、人家のある地域に河川や海の水が浸...
1 0
1ページ / 5ページ中
会員登録(無料)