連載第4回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「温度応力解析とは?コンクリートのひび割れ防止」を掲載いたしました。
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河川堤防は治水に際して様々な改修がなされ、複雑な歴史的構造物といえます。樋門や樋管の築造の際に既存堤防の開削が行われるにあたり、堤防の内部構造を確認する機会となり、堤防築堤履歴の解明、質的向上に資する事を目的に行われます。調査のために開削する事は無く、工事の際に特記仕様書などに記載されるため元請会社からの依頼によって実施されます。
堤体構造を把握するため、開削のり面における土質分布、混入物および空洞、亀裂など変状状況を観察スケッチ、写真撮影し記録します。
1.開削されたのり面に親綱を降ろし、ロリップなど使い降下しながら観察面を整形。
ロリップは「ロープ高所作業の業務」の特別教育修了が義務付けられています。
2.堤防開削された断面に1mメッシュのグリッドを張り、観察スケッチ。
粘土・砂・礫などどのように分布しているのか?
腹付けや、嵩上げなど築堤の履歴を示すものはあるか?
空洞や緩み、亀裂など水みちとなる変状は存在するか?
3.調査は上流・下流ともに行い断面スケッチに起こす
原位置試験は土のバラつきを把握する事を目的に行います。同じ土層であってもその性状は締固め度合いや風化により大きく異なり、土壌硬度はメッシュの交点、現場密度は各土層にて確認します。
試料は「乱した試料」と「乱さない試料」があり、それぞれ利用目的は異なるものの、観察や土質試験の実施をするため試料をサンプリングします。礫分の有無や土の固結状態によって「乱さない試料」の採取が困難な場合は、現場密度試験による湿潤密度の結果を基に供試体作成を行い、室内土質試験を実施します。
現場の土質により試験項目を選択する必要があり、試験内容・試験箇所を発注者と協議し計画します。
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