騒音振動測定をクラウド管理!DKの常時遠隔監視装置とは?

  • LINE

前の記事   次の記事

連載第1回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「IoTでコンクリートのひび割れ幅を遠隔監視!既設構造物における実績紹介」を掲載いたしました。

■前回の記事はこちら



点検に行ったらデータが取れていない!?


 Q.騒音振動を遠隔監視しようとしたきっかけを教えてください。

山谷さん:以前から連続測定のご要望はありました。1日24時間程度の連続測定ならば有人で対応することが多いのですが、1週間、1ヶ月間の長期連続測定は有人での対応は困難です。またお客様としても人件費が増えてしまうため、通常の騒音振動計を利用した長期連続測定は現実的ではありませんでした。そのため長期間の連続測定のニーズに応えるべく企画が始まりました。


 Q.開発にあたっての課題は何だったのでしょうか?

山谷さん:通常の騒音振動計は瞬停に弱い点があり、瞬停した際に蓄積データがすべて消えてしまうトラブルがありました。たとえば、機器の点検は週1回程度のため、設置から1週間後に点検に行った際に、設置直後に瞬停が起きた場合にはデータが全く取れていない!なんてこともありました。
作製にあたりキーポイントとなるデータの伝送については、ロガー(注1)にデータを蓄積するのではなく、常時、クラウドに上げることで、蓄積データが上書きされてしまったり、欠測するという弱点を解消するという方向性で企画を進めました。

注1)ロガー:データロガー:計測結果を時系列に記録する装置やソフトウェア・システム




騒音振動が住民だけでなく家畜にも影響する!?


 Q.騒音振動 常時遠隔監視装置が必要なお客様はどんな方ですか?

山崎さん:主に建設会社様にご依頼いただいております。工事の仕様書には、「騒音振動が大きくなることが予測される工種があるため、長期的に騒音振動測定をする」と記載があったりします。
たとえば、既存構造物を解体する際に使用するブレーカーや、鋼矢板を打設する際に使用するバイブロハンマーは、大きな騒音や振動の発生が予想されるため、常時遠隔監視装置を設置することがあります。また、これらの重機を使用しなくても、民家に隣接する現場、ダンプトラックの通行が多い現場などがあります。
発注者の指示がなくても、自主的に測定する現場もありました。

山谷さん:近隣住民の方からの要望で行うこともあります。

山下さん:家畜に対する補償算定の参考のために行う調査もありました。トンネル工事の現場近くにブランド牛の牛舎があり、発破作業等が牛にストレスを与え、肉質に影響が出る不安があったため、騒音振動データを常時観測する要望がありました。


決め手はこれまで見えなかったデータの瞬時値だった!


 Q.騒音振動 常時遠隔監視装置を利用しているお客様の声はいかがですか?



山崎さん:瞬時値を記録しているのが決め手だったと伺っています。騒音振動データは、瞬時値から統計値を算出します。最終的に必要なデータは統計値のみの場合が多いのですが、それだと、この統計値の中の最大値の原因までは分からないことが多いです。瞬時値が残っていると、その変化の状況から、騒音発生の原因が推定できます。

また、当社は設置からデータ取りまとめ、撤去までワンストップで行うため、お客様の業務負担が減ったという声もいただいています。

 

ちゃんとデータが取れているか確認出来て安心! 


 Q.騒音振動 常時遠隔監視装置の導入にあたり、当社での変化はありましたか?

山下さん:設置後から問題なく稼働できているか常に確認できるため、欠測トラブルが減りました。さらに、社内で常時監視できるため移動時間・移動費の削減に繋げることができました。

山崎さん:お客様からも測定データを見たいという要望がありましたが、クラウドに保存したデータを当社の管理画面で確認しており、それはお客様仕様にはなっていません。

山谷さん:お客様用の管理画面についてはお客様へのヒアリング及び検討を進めています。


レンタルできる


 Q.今後のビジネスモデルはありますか?

山谷さん:基本はレンタルを予定しています。購入を希望しているお客様が少ない要因として、建設現場ではハード面は、現場ごとのレンタルが基本で、所有するという考えは少ないからです。
当社に依頼いただくお客様は、1ヶ月から数年単位でのレンタルを希望されています。
当社では設置・撤去はもちろん、データ取りまとめまでワンストップで行うことができるので、お客様のメリットに繋がると考えています。


  技術者へのご相談・お問合せはこちらまで


 業務案内ページ「DKnote」まで▶ https://service.dksiken.co.jp/

この記事のライター
サガシバ編集部です!
時期に応じた特集や製品に関する記事、イベントの案内や対談形式のインタビューなどを
掲載しています。お知らせやお得な情報も発信していきますので、ぜひ記事のチェック&
フォローをお願いします。
『サガシバ』に会員登録して、匠の野帳をもっと便利に!
会員登録すると、最新記事の情報が受け取れる他、便利な使い方がたくさん!

サガシバ編集部さんの匠の野帳をもっと見る

2021年11月10日 01:24 サガシバ編集部さん
7 2
『サガシバ』編集部 [著/編] / 伊藤 昌明(株式会社オリエンタルコンサルタンツ)/株式会社長大 青柳 竜二 [監修]先日の記事から続き、建コン協会『若手の会』の変遷を特集!今回はこれまで代表を務めていた、...
7 2
2021年11月08日 09:16 サガシバ編集部さん
8 4
先日、告知をしたお知らせにもありますように、この度、サガシバ“初のオンライン対談イベント”を開催する運びとなりました。そこで、イベント開催までの経緯や想いを少しでも『サガシバ』を利用する皆様に知っていた...
8 4
2021年10月22日 04:30 サガシバ編集部さん
6 4
地震や豪雨など、毎年日本各地で自然災害が相次いでいますよね。安心して暮らすことができる社会づくりに向け、社会全体で“災害対策”に取り組むことが急務となっています。現在『サガシバ』では現場で役立つ「防災特...
6 4
2021年10月06日 02:42 サガシバ編集部さん
9 7
『サガシバ』編集部 [著/編] / 伊藤 昌明(株式会社オリエンタルコンサルタンツ) [監修]会社間の垣根を越えて若手が中心となり、業界内外に大きな風を起こしている建コン協会『若手の会』。2021年度からはこれま...
9 7
2021年09月17日 01:09 サガシバ編集部さん
5 1
さて、今年の夏は大気の不安定な日が多く、8月中旬から下旬にかけては真夏にもかかわらず異例の長雨となりました。9月に入って朝晩はだいぶ涼しくなりましたが、日中はまだ少し蒸し暑さが続きますよね。「もっと快...
5 1
2021年09月10日 01:14 サガシバ編集部さん
4 1
今回はサガシバ編集部より、株式会社アークノハラ様の記事をご紹介します!屋外でのスポーツ観戦は貴重な娯楽コロナウイルス感染症により密空間での娯楽が疎遠される中、屋外で行われるスポーツ(野球、サッカー、テ...
4 1
2021年09月03日 05:04 サガシバ編集部さん
6 4
こんにちは。サガシバ編集部です。今回は、令和3年度(2021年度)から変更になった「施工管理技術検定制度」についてポイントを抑えつつ、分かりやすく解説していきたいと思います。ぜひ、今後の受験の参考にしてみ...
6 4
2020年03月17日 01:51 サガシバ編集部さん
13 9
『サガシバ』編集部 [著/写/編] / 伊藤 昌明(株式会社オリエンタルコンサルタンツ) [監修・編纂]  前回のスペシャル記事でもご登場いただいた、株式会社オリエンタルコンサルタンツの伊藤 昌明 氏。『若...
13 9
2020年01月28日 00:52 サガシバ編集部さん
14 12
『サガシバ』編集部 [著/写/編] / 佐々木 理弦(八千代エンジニヤリング株式会社) [監修・編纂]今回は、『サガシバ』の全国リリースを記念して、匠の野帳スペシャル記事を掲載!土木業界で注目を集める、一般社...
14 12
4ページ / 4ページ中
会員登録(無料)