地盤調査とは~「スウェーデン式サウンディング試験」「ボーリング標準貫入試験」「平板載荷試験」の試験方法やメリット

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今回は地盤調査について、私が経験のある調査を紹介し、そのメリットなどを明記したいと思います。


1. 地盤調査とは



 

  • 建築物を建てる前に行う調査である。
  • その建築物の基礎地盤部において、建築物荷重に耐えうるか調査するものである。
  • 地盤部の性質を調査するものである。

などでしょうか。家やビルなどを建てる前に、その基礎地盤が軟弱地盤であったら、どんな問題が発生するでしょうか。「家が傾かないかな?」「沈下したらどうしよう?」などなど・・・。実際、そんな事態になると大変ですね。そのような事態にならないように地盤調査を行います。その地盤がどの程度の荷重に耐えられるか、沈下に抵抗する力があるかを調査することにより、地盤の性質、建築物建立の可否を判断する事になります。

それでは、実際どのような地盤調査があるのか、列記したいと思います。


2. 地盤調査の種類




 スウェーデン式サウンディング試験

ロッドの先にスクリューポイントを取付け、地盤に貫入させ、貫入に要する荷重と回転数から抵抗値を測定します。


 ボーリング標準貫入試験

各1mの深さにおいて、質量63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させて、試料を30cm貫入させるのに要した打撃回数を記録します。


 平板載荷試験

地盤に鋼板(直径30cmの載荷板)を設置し、そこに垂直荷重をかけて、 沈下量を測定し地盤の安定を調べます。


 ポータブルコーン貫入試験

スウェーデン式サウンディング試験を簡易的に行うような試験であり、先端の円錐型コーンを取付けたロッドを地盤に人力で押込み、コーン指数を求めます。


 現場密度試験(砂置換法)

土木工事において、一般的に用いる試験であり、現地で測定した土の乾燥密度を求め、突固めによる土の締固め試験によって得られた最大乾燥密度との比較により、締固め度を求めます。


ここに列記した試験はほんの一部分です。様々な地盤調査がありますが、地盤調査とは簡単に言うと、地盤の固さを調べるために調査する、という事でしょうか。


3. 実際経験した地盤調査について



それでは、実際に経験ある調査の中で、「スウェーデン式サウンディング試験」、「ボーリング標準貫入試験」、「平板載荷試験」の3試験の試験方法、メリットや違いなどを明記します。


 スウェーデン式サウンディング試験

スウェーデン式サウンディング試験は、私が宅地造成工事を担当した時の、宅地内盛土完了後の地盤の固さを調査するために行いました。

この試験は人力及び機械による試験があったと思います。試験方法は円盤のような重し(10kg×2と25kg×3)を1枚ずつ載荷し、その時の沈下量を測定します。100kgまで載荷した後、ロッドの貫入が無ければ、ハンドルを回転させ、25cm貫入します。このときの半回転数を測定します。最終的にはN値を求める事になります。

この試験は比較的小規模ですので、手軽に調査が可能であり、狭い箇所での調査も可能です。しかしながら、地盤内に大きな石、礫が試験箇所に確認されると貫入不可となり、再度別箇所でやり直しをしなければなりません。また調査が深くなるにつれて、試験棒の摩擦抵抗により、試験結果の信ぴょう性に欠ける事もあります。


 ボーリング標準貫入試験

ボーリング標準貫入試験は、市街地再開発地域において、インフラ整備にあたり、現況地盤の調査をするために行ったものです。

試験方法として、まず試験箇所にやぐらを設置します。打撃装置を取付け、質量63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させて、試料を30cm貫入させるのに要した打撃回数を記録します。本打ちの打撃回数は50回を限度とし、予備打ち後に30cm貫入させるのに必要な打撃回数をN値として記録します。

この試験はN値がわかると同時に、地下水位の確認ができますし、何よりも調査する層の土質を採取できるのが良い点です。その分、費用が少しかかってしまいます。


 平板載荷試験

平板載荷試験も宅地造成工事の時に行った試験であり、スウェーデン式サウンディング試験よりも更に正確な値を測定するのに行いました。

試験方法は、直径300mmの剛性円盤の載荷板に、反力・ジャッキを用いて垂直荷重を与え、載荷時間、沈下量を測定します。反力荷重として、実際使用した大型重機0.7㎥級バックホウを使用。沈下の測定は、各荷重段階において所定の荷重に達した後、経過時間0分、1分、2分、5分、10分、15分、20分、25分、30分とし、最大荷重載荷後は、5分間隔で荷重を減らし、その戻しに対する沈下量の復元を測定します。

この試験は地盤の支持力を直接判定できることが可能ですが、大型重機を使用するため、作業スペースが大きくなり、狭い箇所での試験は不可能です。また、載荷板が小さい(直径30cm)ため、深さ0.6mより下の地盤調査は不可能とされています。


以上により、私が経験した地盤調査について明記させてもらいました。

工事によっては、複数の調査を組み合わせて評価したり、同じ調査を追加したりといった対応が求められるケースがあります。調査にあたっては受注者と事前に情報共有して合意しながら進めていくことが重要です。また、先ほど述べました様に、地盤調査は建築物建立には調査しなければなりません。一生モノと言われる家などを守るためにも、重要な調査ととらえ、しっかりした試験を行わなければならないと考えます。


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この記事のライター
愛媛生まれ、大阪育ち。
瀬戸大橋の無かった1980年代小学生時、「おばあちゃん家まで車で帰れたらいいのにナァ」の気持ちから、橋とか道路を作りたい気持ちが芽生え、土木の学校を卒業し、現在は新潟の小さな会社で現場監督をやっています。
ちょっとした側溝工事や下水工事、新潟では重要な農業土木など、地元の皆さんに喜んでもらえるような工事を日々進めております。
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