連載第10回目は、株式会社土木管理総合試験所の「DK note」記事より「RCFによる労働者の健康被害」を掲載いたしました。
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アスベストの健康被害はよく知られているところですが、2021年4月からアスベスト関連法が改正され事前調査が義務付けされました。翌年2022年4月以降に着工する一定規模以上の解体・改造・補修工事についてはアスベストの有無に関わらず、アスベスト事前調査結果の電子システムでの報告が必要になりました。今年2023年10月からは有資格者によるアスベスト調査が義務付けされます。
本記事ではアスベストの基礎から関連法の改正についてご案内します。
アスベストは、石綿(せきめん、いしわた)とも呼ばれる天然の繊維状けい酸塩鉱物の総称です。耐熱性、絶縁性、耐薬品性、保温性などの優れた性質を持ち、その多くは建築建材の原料として使用されてきました。
しかし、アスベストを吸い込むことで健康被害が引き起こされることがわかり、段階的に使用が規制されてきました。そして、2006年にはアスベストの使用が全面的に禁止されました。
使用用途は3,000種以上と言われていますが、使用量の約9割が建材となっています。主に耐火被覆、吸音、断熱用にアスベストの吹き付け施工、保温材やシーリング材、スレート屋根の建材などです。吹き付け材としては、ビルの機械室、ボイラー室、地下駐車場、立体駐車場、外壁、学校、体育館、工場等の天井裏などです。
アスベストそのものに毒性があるわけではなく、極めて細いアスベストの繊維を人が吸い込んでしまうと繊維が肺の中に残り、長期間蓄積されることで健康被害を引き起こす恐れがあります。アスベスト工場で働いていた人やその周辺住民、アスベスト含有建材を用いた建物の解体作業に従事していた人などが多く健康被害にあっています。アスベストばく露による主な健康被害は以下の通りです。
①石綿(アスベスト)肺
肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。
②肺がん
肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。
③悪性中皮腫
胸膜や腹膜、心膜等にできる悪性の腫瘍です。
年代 | 該当規則及び法令 |
1971年 | 特定化学物質等障害予防規則の制定 |
1975年 | 特定化学物質等障害予防規則の改正 |
1995年 | 労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則、特定化学物質等障害予防規則の改正 |
2005年 | 石綿障害予防規則の制定 |
2006年 | 労働安全衛生法施行令の改正 |
2020年 | 石綿障害予防規則及び大気汚染防止法の法改正 |
①第1スクリーニング(書面調査)
設計図書等を確認し、アスベスト含有懸念建材の使用箇所の確認をします。
②第2スクリーニング(現地調査)
②-1 目視調査
建築物石綿含有建材調査者等の資格者が現地にてアスベスト含有懸念建材の使用の有無や必要な分析数量の提案を行います。
②-2 試料採取
書面調査・目視調査から判断したアスベストの含有が疑われる建材を周辺環境に配慮しながら採取します。
②-3 分析
土木管理総合試験所では、分析法JIS A 1481-1に基づいて分析を実施し、含有の有無を判断します。(ご希望の場合は、JIS A 1481-2による分析も対応可能です。)
土木管理総合試験所では建設コンサルタントとして「法令に準拠した事前調査とコンサルティングサービス」を提供し、建築物の解体・改修工事を実施する施工業者様の安全性確保や諸手続き支援、産業廃棄物の処理まで「アスベスト調査に関する課題やお困りごとのトータル支援」が可能です。
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https://service.dksiken.co.jp/service/test-survey-analysis/asbestos
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