建設コンサルタント業務に従事するとき、必須資格はあるのでしょうか?ここでは、関連資格とその勉強方法も併せて紹介します。これから、建設コンサルタント業界に従事する予定の人や転職などで本業界を検討している人にとって有益な内容になっています。
建設コンサルタントとして業務上、絶対に保有していないと業務が出来ないという資格はありません。とはいえ、資格保有者であれば専門知識を有しているという証明になり企業から優遇を受けることに加えて、転職などにも有利に働きます。
建設コンサルタントとして一般的に保有していると有利な資格は下記になります。ゼネコン所属で現場施工管理をする場合、施工管理技士の資格が一人前の証である一方で、大手建設コンサルタント所属であれば「技術士」の資格を取得することで一人前とされる傾向にあります。
建設業界で最も取得難易度が高い国家資格である「技術士」とは、技術士法に基づいて行われる国家試験(第二次試験)を合格した、高度な技術的知識と高い技術者倫理を備えていることを国によって認められた技術者であることを指します。
技術士になるためには、第二次試験に合格する必要があります。試験内容は、筆記試験(必須科目・選択科目)を合格すると口頭試験を受験できます。どちらも合格することで技術士の資格を取得できます。
筆記試験は、記述式で出題されています。必須科目Ⅰと選択科目Ⅱ、Ⅲから成り立っており、それぞれ個別の勉強が必要になります。各々の問いでは、次のような能力が求められます。
Ⅰ:専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力
Ⅱ:専門知識及び応用能力
Ⅲ:問題解決能力及び課題遂行能力
この中で特に難解と思われるのが問題Ⅱの「応用能力」と問題Ⅲの問題解決能力及び課題遂行能力です。技術を応用するとはどういうことかを理解することや、論理的な分析・課題とは何かについて正しく理解することが合格への近道です。このように合格の基準が定量的な表現ではないため、合格論文を読んでもどこが得点に結びついていて、自分の論文では何に対する記述が不足しているのかが明確には分からない特徴があります。そこで、下記3点が勉強をする上で重要になります。
上記の理由から、技術士の勉強を独学で進めるには限界があります。何が加点されて何が不足しているかを指導してもらうために①第三者に添削を依頼しましょう。社内の資格保有者や、外部講師などに依頼する方法があります。
次に重要なのは②学習スケジュールです。技術士の資格取得にかかる学習平均時間は500時間と言われています。3時間/日の学習時間を半年間継続する必要があるため勉強しない日が続かないように工夫する必要があります。
最後は、③過去問になれることです。初見で1800字の論文を書くため慌ててしまうと時間が足りなくなります。そこで、過去問を通して出題形式を深く理解して出題傾向・論文構成を想定しておくことが重要になります。
建設コンサルタントは、設計図書の作成が主たる業務であり、現場施工管理を実施する可能性は低いです。しかし、施工管理技士の資格取得を通して学んだ知識は現場との作業調整や設計に大きく役立ちます。
施工管理技士の資格は、第一次検定(マークシート方式)と第二次検定(記述方式及びマークシート方式)から成り立っています。勉強方法は、過去問を解くことが重要になります。本試験は、問題が例年通りのため過去問を5~10年分程度、満点を取れるように学習することで合格に近づけます。
RCCM(Registered Civil engineering Consulting Manager)は、民間資格であり建設コンサルタント等業務に係わる責任ある技術者として、業務の適正な執行の管理、技術上の事項の処理、および業務成果の照査の責任者となるための資格試験です。資格保有者は、高度な技術的知識を保有している証になり管理技術者、ならびに照査技術者になることができます。
本試験は、CBT試験と呼ばれるパソコン上で全て解答する試験です。試験は、択一問題と記述式がありますが、施工管理技士の資格と同様に過去問を解くことが重要な勉強方法になります。試験内容も、問題が例年通りであるため過去問を5~10年分程度、満点を取れるように学習することで合格に近づけます。
建設コンサルタント業を行う上で必要な資格、取得を検討すべき関連資格と勉強方法を理解できたでしょうか?ここでは、資格の優先度や勉強方法のアドバイスを含めて解説しました。本記事を通して、資格取得を前向きに検討する人や建設コンサルタント業界に転職を考える人が一人でも増えることを願っています。