今回のテーマは、生コンクリート打設と打設後の養生についてです。
夏の暑い時期と冬の寒い時期に大変なのが生コンクリートの打設後の養生です。特に寒さが増す、厳冬期の打設後の養生は大変なものがあります。私が経験したことから、皆さんの参考になれば嬉しいと思います。
生コンクリートを打設する型枠などを設置したら、設計書に指定された生コンクリートを打設します。打設の前には、打設に必要な生コンクリートの量を計算します。
打設に必要な生コン=型枠の体積×1.08 |
※「過不足なくアスファルト舗装合材を取るための知識(舗装合材の重量の計算方法とプラントへの搬入までの流れ)」については以前に書いた記事をご確認ください。
最大積載量10,000kgのコンクリートミキサー車(正式にはアジテータ車)が1台で運べる量は、生コンの標準比重2.3とした場合、計算上4.2~3㎥程度です。しかし、品質にあった配合比率によって厳密には異なりますので、過積載にならないよう十分注意してください。現場では生コンの用意が必要ですが、ほんの少し足りないだけでも打設ができないので計算量よりも多めにとる必要があります。
生コン工場では、0.5㎥ずつ注文出荷が出来ます。生コン工場によっては0.25㎥ずつ頼めるところもあります。
10tのアジテータ車の場合、積む量が少ないと空積料を取られるので注意が必要です。1㎥nくらいまでの少量の使用であれば、自社の4tダンプなどで工場まで受け取りに行ってもよいでしょう。4tダンプで生コンを取ってきた場合、打設後はすぐに荷台を清掃しておかないといけません。生コンが固まってしまうと大変なことになってしまいます。4.5㎥以上打設する場合は、複数台頼まなければなりません。
また、打設する際には
など、打設方法を決めておかなければいけません。
生コン打設でつくる構造物によっては「スランプ検査」、「空気量測定」、「コンクリート温度の検査」が必要なため事前に確認しておく必要があります。捨てコンや縁石ベースなどは「スランプ検査」、「塩化物量測定」などを省略して良いようです。強度試験が工場で行われる場合は、テストピースを取り、試験に立ち会わなくてはいけません。
生コン打設でつくる構造物によっては、仕上げに左官屋を外注しないといけない場合もあります。自社の作業員が左官屋の仕事が出来れば問題ありませんが、出来ない場合は依頼しておきましょう。完成後に隠れてしまう縁石ベースなどは、素人が見様見真似に作業しても問題ありませんが、擁壁の天端など、完成後に出来具合が分かるようなところは、それなりにきれいに仕上げなくてはいけません。
打設時には、生コンクリートに電動バイブを使い、振動を十分与えて空隙など出来ないようにしなくてはいけません。型枠によっては、ハンマーなどで叩き振動を与えながら打設しましょう。
打設前には、型枠に散水しておきます。打設に必要な「電動バイブレーター」や「左官ごて」、「スコップ」など、必要な道具と人員を用意しなくてはいけません。建築工事の場合は、事前に打設計画書を作成し監督員に提出する必要もあります。
打設する前には、型枠の寸法など設計図通りになっているか確認しましょう。出来上がった構造物が、寸足らずの出来形不足では検定に落ちてしまいます。
また、縁石ベースやインターロッキング下のベースなどは高さを再度確認しましょう。丁張のかけ間違いで高くなった場合は、せっかく打設したコンクリートを斫らなければいけなくなり、経費も手間もかかるので大変です。
打設後は、スポンジなどを用意して余計な水分を吸い取り、養生シートを打設面に掛けましょう。養生シートは、外気温が5℃から25℃の場合は吸収性の良い布をかけて使用します。
打設時の天候が雨の場合は、注意が必要です。ブルーシートで囲い、雨が避けられるのであれば問題ありませんが、打設面が雨に叩かれると跡が残るため、補修しなくてはいけません。そのため、打設時の天候を天気予報で確認しておく必要があります。
大雨や台風などの場合は、生コン打設を延期したほうが無難でしょう。工期が迫っていて余裕のない時はハラハラしますね。
次回は、生コンクリート打設後の養生について掲載します。
関連記事:土木における生コンクリートの打設方法とその後の養生~その2~
関連記事:生コン打設の流れ~「打ち込み」「締固め」「仕上げ」について~
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